COLUMN
2026.07.09|整骨院マーケットレポート
シリーズについて
このレポートは「47都道府県 整骨院マーケットレポート」シリーズの第29回。ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部が、都道府県ごとの整骨院市場を人口構造・競合密度・エリア特性・勝ちパターンの4軸で徹底分析します。経営判断・出店戦略・差別化設計の実務に直接使えるデータをまとめました。
三重県の競合密度は約26.1院/10万人。全国平均(40.7院)の約64%。このシリーズでも下位に入る低競合市場だ。
人口約174万人(全国22位)と決して小さくない県が、なぜここまで院が少ないのか。理由は三重県の特殊な地理にある。
三重県は南北に約180km(車移動なら海岸線で400km近く)続く縦長の県で、北勢・中勢・南勢・伊賀・東紀州という5つの生活圏に分裂している。北勢(四日市・桑名)は完全に名古屋経済圏、伊賀(伊賀・名張)は大阪・京都志向、南勢(伊勢・志摩)は独立した観光経済圏、東紀州(尾鷲・熊野)は和歌山と地続きの過疎地帯だ。「三重県」という一つの市場は存在しない。
だからこそ、それぞれの生活圏に固有の需要が手つかずで残っている。
一つ目が四日市コンビナートの工業従事者だ。四日市市は日本四大石油化学コンビナートの一つを擁する中部有数の工業都市だ。化学プラント・製油所の従事者の腰痛・振動障害が慢性化している。
二つ目が鈴鹿のホンダ・F1・自動車産業だ。鈴鹿市はホンダの主力工場と鈴鹿サーキット(F1日本GP開催地)を抱える「モータースポーツの街」だ。自動車製造ラインの従事者に加え、サーキット関連・レーシング需要という全国唯一の市場がある。
三つ目が伊勢神宮×志摩の観光・真珠・海女だ。伊勢神宮は年間800万人超が参拝する日本最大級の聖地で、おかげ横丁・鳥羽・志摩の観光業従事者、真珠養殖業、そして「海女」という世界的にも希少な素潜り漁の従事者がいる。
四つ目が松阪牛の畜産×伊賀・中勢の農業だ。松阪牛(世界的ブランド和牛)の肥育農家、伊賀米・伊賀牛の生産者の畜産・農業腰痛需要がある。
名古屋の隣という好立地でありながら、5つの分立market それぞれに空白が広がっている——これが三重市場の本質だ。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|------|------|------|
| 総人口 | 約174万人 | 全国22位(緩やかに減少中)|
| 高齢者人口(65歳以上) | 約53万人 | 高齢化率約31% |
| 生産年齢人口(15〜64歳) | 約99万人 | 構成比約57% |
| 年少人口(0〜14歳) | 約20万人 | 構成比約12% |
高齢化率31%は全国平均並み。北勢(四日市・鈴鹿・桑名)は名古屋への通勤圏で比較的若い人口を保つが、東紀州(尾鷲・熊野)や中南勢の山間部は高齢化率40〜50%を超える。
主要都市別人口:
| 市町村 | 人口 | 生活圏 | 特性 |
|--------|------|--------|------|
| 四日市市 | 約31万人 | 北勢 | 石油化学コンビナート・県内最大都市・名古屋通勤圏 |
| 津市 | 約27万人 | 中勢 | 県庁所在地・行政・大学 |
| 鈴鹿市 | 約20万人 | 北勢 | ホンダ・鈴鹿サーキット・F1・自動車産業 |
| 松阪市 | 約16万人 | 中勢 | 松阪牛・商人の街・農業 |
| 桑名市 | 約14万人 | 北勢 | 名古屋通勤圏・鋳物・ナガシマリゾート |
| 伊勢市 | 約12万人 | 南勢 | 伊勢神宮・おかげ横丁・観光 |
| 名張市 | 約7.6万人 | 伊賀 | 大阪通勤圏のベッドタウン |
| 伊賀市 | 約8.7万人 | 伊賀 | 伊賀米・伊賀牛・忍者・組紐 |
| 鳥羽市 | 約1.7万人 | 南勢 | 真珠・海女・水族館・観光 |
| 志摩市 | 約4.5万人 | 南勢 | 真珠養殖・海女・伊勢志摩サミット地 |
| 尾鷲市・熊野市 | 各1.5〜1.6万人 | 東紀州 | 漁業・林業(尾鷲ヒノキ)・過疎 |
①化学・重工業従事者(四日市市・桑名市)
四日市コンビナートは石油精製・石油化学・電子材料(半導体材料)が集積する日本四大コンビナートの一つだ。プラント操業・設備保全・タンク検査の従事者は高温・重量物・パトロール歩行による腰痛が慢性的だ。三重県は半導体関連(キオクシア四日市工場・四日市の電子材料メーカー)の集積地でもあり、クリーンルーム内の立ち仕事需要も厚い。
②自動車・輸送機械従事者(鈴鹿市・津市・いなべ市)
鈴鹿市はホンダの主力工場(四輪・二輪)を擁する。いなべ市にはトヨタ車体いなべ工場。津市周辺にも自動車部品メーカーが集積。組立ライン・プレス・溶接の反復動作による腰痛・肩こり・腱鞘炎需要がある。
③観光・旅館業従事者(伊勢市・鳥羽市・志摩市)
伊勢神宮(年間参拝者800万人超)・おかげ横丁・鳥羽水族館・伊勢志摩の観光旅館。清掃・配膳・立ち仕事の腰痛需要。
④真珠養殖・漁業・海女(鳥羽市・志摩市・尾鷲市)
英虞湾(あご湾)の真珠養殖は御木本幸吉以来の世界的産業だ。真珠の挿核・浜揚げ作業、そして「海女」の素潜り漁は全身への特殊な負荷を伴う。
⑤畜産・農業従事者(松阪市・伊賀市・玉城町)
松阪牛の肥育農家、伊賀米・伊賀牛の生産者。牛舎作業・給餌・堆肥処理の重労働。
| 指標 | 数値 |
|------|------|
| 施術所数(R4確定値) | 454院 |
| 推計年間市場規模 | 約545〜655億円 |
📌 第1章の急所
三重県北勢部(四日市・桑名・鈴鹿)は「名古屋のベッドタウン兼工業地帯」で、生産年齢人口の比率が県内で最も高い。にもかかわらず競合密度は低い。名古屋(愛知県)で激戦を戦うより、県境を越えた三重県北勢のほうが「同じ通勤者・工場従事者を、少ない競合で取れる」。名古屋の整骨院経営者にとって、三重県北勢は最も近い出店フロンティアだ。
| 指標 | 三重県 | 全国平均 |
|------|--------|----------|
| 施術所数(R4確定値) | 454院 | 50,919院 |
| 競合密度 | 約26.1院/10万人 | 約40.7院/10万人 |
| 人口 | 約174万人(全国22位) | — |
全国平均の約64%。北勢の都市部でも全国平均を下回り、南勢・東紀州は全国最低水準に近い。
| エリア | 推計競合密度 | 特性 |
|--------|-------------|------|
| 四日市市中心部 | 30〜42院/10万人 | 県内最大都市。全国平均より低い |
| 四日市市郊外 | 22〜33院/10万人 | 工業×住宅地。低競合 |
| 津市 | 28〜40院/10万人 | 県庁所在地。中低競合 |
| 鈴鹿市 | 25〜36院/10万人 | 自動車の街。低〜中競合 |
| 桑名市・いなべ市 | 22〜33院/10万人 | 名古屋通勤圏×工業。低競合 |
| 松阪市 | 22〜32院/10万人 | 松阪牛×商業。低競合 |
| 伊勢市 | 20〜30院/10万人 | 観光都市。低競合 |
| 名張市・伊賀市 | 18〜28院/10万人 | 大阪通勤圏×農業。低競合 |
| 鳥羽市・志摩市 | 10〜20院/10万人 | 真珠×海女×観光。最低水準 |
| 尾鷲市・熊野市(東紀州)| 6〜14院/10万人 | 漁業×林業×過疎。全国最低水準 |
📌 第2章の急所
志摩市・鳥羽市の競合密度10〜20院/10万人は、2016年に伊勢志摩サミット(G7)が開催された国際的観光地でありながら全国最低水準だ。真珠・海女・観光という固有需要が院に届いていない。志摩・鳥羽はMEO口コミ15〜30件で地域トップが取れる。伊勢神宮参拝とセットの観光客需要も含め、南勢は三重で最も参入しやすいフロンティアだ。
四日市コンビナートは戦後日本の高度成長を象徴する石油化学の一大拠点だ。現在も石油精製・石油化学・半導体材料の巨大プラント群が稼働する。
| 作業 | 身体負担 | 障害 |
|------|---------|------|
| プラント操業・パトロール | 広大な構内の歩行・階段昇降・弁操作 | 腰痛・膝痛 |
| 設備保全・定期修理(定修)| 狭所・高所・重い工具・配管作業 | 腰痛・肩こり・頸肩腕症候群 |
| タンク・配管検査 | 中腰・上向き・不安定姿勢 | 腰痛・首痛 |
| 半導体材料製造 | クリーンルーム内の長時間立位 | 腰痛・足底筋膜炎 |
コンビナートの「定期修理(定修)」は年に数回、数百〜千人規模の作業員が集中投入される。この定修期間は腰痛・打撲・捻挫が急増する。定修スケジュールに合わせた「工事従事者の当日対応」訴求が四日市では極めて有効だ。
鈴鹿市はホンダの主力工場と鈴鹿サーキットを抱える全国唯一の「F1の街」だ。
ホンダの製造ライン従事者:四輪・二輪の組立・溶接・塗装の反復動作腰痛
鈴鹿サーキット関連:F1日本GP・8耐(鈴鹿8時間耐久ロードレース)の運営スタッフ、メカニック、モータースポーツ愛好家
レーサー・ライダーの身体ケア:モータースポーツは首・体幹への強烈なG負荷がかかる特殊競技だ。「モータースポーツ選手のコンディショニング」は鈴鹿でしか成立しない全国唯一の訴求
桑名市は鋳物の街(桑名鋳物)であり名古屋通勤圏のベッドタウン。いなべ市はトヨタ車体の工場城下町。工業従事者×通勤者の複合需要がある。
📌 第3章の急所
鈴鹿サーキットは「F1日本GP(10月)」「鈴鹿8耐(8月)」の2大イベント時に全国・世界から数十万人が集まる。この時期はサーキット周辺の宿泊・観戦・運営で一時的に人口が膨張する。イベント連動の「観戦疲れ・長時間運転の腰対応」という短期需要も取れるが、本命はホンダ製造ライン従事者の通年需要だ。イベントは認知獲得の機会、収益の柱は工場従事者、と割り切る設計が正しい。
伊勢神宮(内宮・外宮)は年間800万人超が参拝する日本最大級の聖地だ。おかげ横丁・おはらい町の門前町商業と旅館・ホテルが集積する。
旅館・ホテルスタッフの腰痛(布団・配膳・清掃)
おかげ横丁の飲食・物販従事者の立ち仕事腰痛
参拝客の急性外傷(長時間歩行・玉砂利での転倒・膝痛)——「お伊勢参りで膝・腰を痛めた方の当日対応」
御木本幸吉が世界で初めて真珠の養殖に成功した英虞湾(あご湾)は、今も真珠養殖の世界的産地だ。
| 作業 | 身体負担 | 障害 |
|------|---------|------|
| アコヤ貝の挿核 | 座位の細密手作業の長時間持続 | 頸肩腕症候群・腰痛 |
| 貝の浜揚げ・掃除 | 揺れる筏での中腰作業・重い貝籠の引き揚げ | 腰痛・肩痛 |
| 真珠の浜揚げ(12月)| 冬季の冷水作業・選別の座位作業 | 腰痛・冷えによる筋硬直 |
鳥羽・志摩は日本最多の海女が現存する地域だ。海女の素潜り漁はアワビ・サザエ・伊勢海老を獲る全身運動で、以下の特殊な身体負荷を伴う。
反復潜水による耳・副鼻腔・体幹への負荷
冷水での長時間作業による筋肉の冷え・硬直
高齢の海女が多く、腰・肩・膝の慢性障害を抱えながら現役を続けている
「海女さんの身体を支える院」は鳥羽・志摩でしか成立しない全国唯一のコンセプトだ。海女文化は観光資源でもあり、地元メディア露出にも繋がりやすい。
📌 第4章の急所
真珠の「浜揚げ」は12月に集中する。この時期、志摩・鳥羽の真珠従事者は冷水での作業で腰・肩を痛める。浜揚げ明けの1月に「真珠のお仕事おつかれさまでした」訴求を投下できる院が、志摩・鳥羽の真珠従事者需要を取れる。海女漁の最盛期(春〜夏のアワビ漁)明けも同様の集患タイミングだ。
松阪牛は世界的な高級和牛ブランドだ。肥育農家の身体負荷は畜産特有のものだ。
牛舎の給餌・敷料交換・堆肥処理(重量物搬送)
牛の管理・観察のための中腰・前傾作業
高齢農家が多く、腰・膝の慢性障害を抱える
松阪市は「商人の街」でもあり、三井家発祥の地として商業の伝統を持つ。商店街の商業従事者需要も重ねられる。
伊賀盆地は伊賀米・伊賀牛の産地で、伊賀市は忍者・組紐・伊賀焼の伝統工芸の街でもある。名張市は近鉄大阪線で大阪へ通勤するベッドタウンとして発展した。
農業従事者(伊賀米の稲作・伊賀牛の畜産)の腰痛
組紐・伊賀焼の職人の座位前傾作業
名張市の大阪通勤者(長時間通勤・デスクワーク)の腰痛・肩こり
JA(JA全農みえ・伊賀ふるさと農協)への農業従事者セミナー
松阪の畜産組合への「肥育農家腰痛予防プログラム」
名張のベッドタウン住宅地での「通勤者・ファミリー向け」MEO
📌 第5章の急所
名張市・伊賀市は「大阪志向」の生活圏だ。三重県だが心理的には大阪・奈良の一部として動く。この2市への訴求は「名古屋」ではなく「大阪への通勤で疲れた身体」という文脈で行うべきだ。近鉄大阪線・伊賀鉄道の沿線で、通勤者の帰宅時間帯(19〜21時)に対応する診療設計が名張・伊賀では有効だ。
東紀州(尾鷲・熊野・紀北)は三重県で最も過疎が進んだ地域で、和歌山県と地続きの生活圏だ。
尾鷲ヒノキの林業:全国有数のヒノキ産地。チェーンソー・搬出作業の振動障害・腰痛
尾鷲・熊野の漁業:日本有数の多雨地帯の沿岸漁業。定置網・養殖(ブリ・マダイ)の重労働
世界遺産・熊野古道の観光:熊野古道を歩く参拝者・トレッカーの膝・腰の需要
東紀州の競合密度6〜14院/10万人は全国最低水準だ。人口が少なく単独市場としては小さいが、「東紀州で唯一の院」というポジションは確実に取れる。
📌 第6章の急所
熊野古道(世界遺産)を歩く外国人・シニアのトレッカーは、慣れない山道で膝・腰・足首を痛めやすい。尾鷲・熊野の院が「熊野古道で痛めた方の当日対応・英語対応」を掲げれば、地元人口の少なさを補う観光需要が取れる。ただし東紀州は人口規模が小さいため、単独出店より「和歌山県新宮市との一体商圏」として見るのが現実的だ。
| エリア | 地域1位に必要な口コミ数(推計)| 優先度 |
|--------|-------------------------------|------|
| 四日市市 | 60〜95件 | 中期目標 |
| 津市 | 55〜85件 | 中期目標 |
| 鈴鹿市 | 45〜70件 | 短期で達成可能 |
| 桑名市・いなべ市 | 40〜65件 | 短期で達成可能 |
| 松阪市 | 35〜55件 | 短期で達成可能 |
| 伊勢市 | 30〜50件 | 今すぐ達成可能 |
| 名張市・伊賀市 | 25〜45件 | 今すぐ達成可能 |
| 鳥羽市・志摩市 | 15〜30件 | 即独占可能 |
| 尾鷲市・熊野市 | 8〜18件 | 即独占可能 |
| 月 | 配信テーマ |
|----|-----------|
| コンビナート定修期(春・秋)| 「定修工事おつかれさまです。作業員の腰・膝、当日対応OK」(四日市)|
| 8月・10月 | 「鈴鹿8耐・F1観戦の長時間、腰は大丈夫?運転疲れのケアを」(鈴鹿)|
| 12〜1月 | 「真珠の浜揚げおつかれさまでした。冷えた腰・肩のリセットを」(志摩・鳥羽)|
| 春〜夏 | 「アワビ漁シーズンの海女さんへ。潜りの疲れを溜めない定期ケア」(鳥羽・志摩)|
| 通年 | 「お伊勢参りで膝・腰を痛めた方、当日対応します」(伊勢)|
四日市コンビナート各社(石油化学・半導体材料)の安全衛生部門への「工事従事者腰痛予防講話」
ホンダ鈴鹿・トヨタ車体いなべの健康保険組合への法人提案
志摩・鳥羽の真珠養殖組合・海女漁協への連携
松阪の畜産組合・JAへの農業従事者セミナー
📌 第7章の急所
三重は「5つの生活圏で集客戦略を完全に変える」必要がある。北勢=工場法人ルート、中勢=行政・JA、南勢=観光・漁協、伊賀=大阪通勤者、東紀州=熊野古道観光。一つの広告・一つの訴求で三重全県を狙うのは失敗のもとだ。エリアごとに「誰の、どの痛みを診るか」を specific に絞ることが、縦長分立県・三重の攻略原則だ。
ターゲット:四日市コンビナートのプラント従事者・定修工事作業員(30〜55代)
武器:「コンビナート・工事従事者の腰専門」訴求×定修期の当日対応×大型駐車場×各社安全衛生部門への講話
月商目標:160〜210万円
注意点:定修は春秋に集中する繁閑がある。定修期に一気に取った患者を通年のプラント常駐従事者としてリピートに繋ぐ導線設計が肝
ターゲット:ホンダ製造ライン従事者+モータースポーツ愛好家・レーサー
武器:「ホンダ工場の腰・肩専門」+「モータースポーツ選手のコンディショニング」という全国唯一の訴求×ホンダ健保への法人提案
月商目標:155〜200万円
注意点:モータースポーツ需要は象徴(話題性・メディア露出)として使い、収益の柱はホンダ製造ライン従事者の通年需要に置く役割分担が必要
ターゲット:真珠養殖従事者・海女+観光旅館スタッフ+伊勢志摩観光客
武器:「海女・真珠職人の身体を支える院」という全国唯一の訴求×漁協・養殖組合連携×MEO口コミ15〜30件で地域トップ
月商目標:110〜150万円
注意点:南勢は人口が少ないため、地元従事者+観光客+旅館法人の三層で商圏を作る。単一需要では月商の天井が低い
ターゲット:伊勢神宮の門前町商業・旅館従事者+伊勢市民+参拝観光客
武器:「お伊勢参りで痛めた方の当日対応」+門前町・旅館の法人契約×MEO口コミ30〜50件
月商目標:120〜160万円
注意点:参拝客のピーク(正月・GW・式年遷宮関連年)と閑散期の差が大きい。観光需要は上乗せと考え、伊勢市民の地域密着を土台にすること
ターゲット:名古屋通勤者+トヨタ車体・桑名鋳物の工業従事者+ベッドタウン住民
武器:「名古屋通勤の疲れ・工場勤務の腰専門」×夜間対応×MEO口コミ40〜65件
月商目標:150〜195万円
注意点:名古屋(愛知県)の激戦を避けて三重県側で「同じ通勤者」を取る発想。名古屋在住の経営者にとって最も近い低競合フロンティア
📌 第8章の急所
三重で多店舗展開するなら「四日市→鈴鹿→津→松阪」の北勢〜中勢ラインに集中させるのが定石だ。この4市は人口・工業従事者・自動車産業が集積し、車移動で繋がる連続商圏を形成する。南勢(伊勢志摩)と伊賀と東紀州は生活圏が分断されているため、別々の単独出店として設計する。「三重全県グループ」を無理に作らず、北中勢ドミナントに絞るのが失敗しない展開戦略だ。
三重の整骨院市場を一言で表すなら、「名古屋の隣という好立地に、5つの生活圏がそれぞれ固有需要を抱えたまま、競合密度26院という低競合が広がっている県」だ。
四日市のコンビナート作業員、鈴鹿のホンダ工員、志摩の海女、松阪の畜産農家——これらは全て発生源が明確で、法人・組合ルートで束ねられる需要だ。
三重で勝つための3原則
① 「三重県」で考えず、5つの生活圏で考える
北勢・中勢・南勢・伊賀・東紀州は別の市場だ。エリアの固有名詞(コンビナート・ホンダ・海女・松阪牛)を使った specific な訴求だけが機能する。
② 名古屋の隣という立地を武器にする
北勢は名古屋経済圏でありながら競合密度が低い。名古屋の激戦を避けて「同じ通勤者・工場従事者」を三重側で取る——これは名古屋在住の経営者にとって最も効率的な出店戦略だ。
③ 産業カレンダーに集患を合わせる
コンビナート定修、真珠の浜揚げ、F1・8耐、お伊勢参りのピーク——三重の需要は時期が読める。カレンダー通りに販促を投下した院が、それぞれの市場を取る。
💬 「うちのエリアで何をすべきか」が気になった院長へ。
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著者プロフィール:宮澤 駿
ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部 本部長
大学卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。入社後は12年間、整骨院を中心に治療院業界のコンサルティングに特化し、成功事例企業を多数輩出。業界のM&Aにも携わりながら、部長として社内マネジメントも経験。「お客様の純粋な成長」を実現掲げるピュアグロースの理念に共感しヘルスケア事業本部を2026年4月に立ち上げ。パーソナルパーパスは「業界・企業・人の可能性を信じ、伴走し、未来を共に創る」。
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本レポートはR4衛生行政報告例(厚生労働省)確定データ・各種公開統計および業界調査をもとに執筆しています。