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COLUMN

【47都道府県 整骨院マーケットレポート㉗】山形県の整骨院市場分析/競合密度34院——さくらんぼ佐藤錦の脚立農家×庄内平野の稲作×天童将棋駒職人×蔵王温泉スキー需要、果樹王国の空白を読む

2026.07.06|整骨院マーケットレポート

シリーズについて
このレポートは「47都道府県 整骨院マーケットレポート」シリーズの第27回。ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部が、都道府県ごとの整骨院市場を人口構造・競合密度・エリア特性・勝ちパターンの4軸で徹底分析します。経営判断・出店戦略・差別化設計の実務に直接使えるデータをまとめました。


はじめに:「上を向いて働く県」——さくらんぼ農家の首・肩は全国で最も酷使されている

山形県の競合密度は約33.5院/10万人。全国平均(40.7院)の約82%。低競合市場だ。

山形の農業には、他県にない特殊な身体負荷がある。「上向き作業」だ。

さくらんぼ(全国シェア約70〜75%・佐藤錦の本場)、ラ・フランス(全国シェア約80%)、ぶどう、りんご——山形の看板農業はすべて「果樹」だ。果樹農家は脚立に乗り、首を反らし、腕を上げ続けて摘果・収穫・剪定をする。稲作農家の「前傾腰痛」とは真逆の、頸椎・肩関節への上向き負荷が山形農家の職業病だ。

この「果樹農家の首・肩」を専門に診る院が、山形にはほぼ存在しない。

山形の固有需要は4つある。

一つ目がさくらんぼ・果樹農家だ。東根市・寒河江市・天童市・村山市に集積する果樹農家は、6月のさくらんぼ収穫期に1日10時間以上の脚立作業をこなす。首・肩・腰の急性症状が毎年6〜7月に集中発生するが、対応する院がない。

二つ目が庄内平野の稲作農家だ。鶴岡市・酒田市の庄内平野は「つや姫」「雪若丸」を生む日本有数の米どころだ。田植え・稲刈り・雪囲いの重労働に加え、冬の除雪作業が腰への負荷を倍加させる。

三つ目が天童の将棋駒職人と山形の伝統工芸従事者だ。天童市は全国の将棋駒の9割以上を生産する。彫り・書き・漆入れという細密作業の前傾姿勢は頸肩腕症候群の温床だ。山形市の山形鋳物・米沢市の米沢織も同様の職人需要を持つ。

四つ目が蔵王温泉×スキー・樹氷観光の需要だ。蔵王温泉スキー場は樹氷(スノーモンスター)で世界的に知られ、国内外のスキーヤー・スノーボーダーが集まる。転倒による急性外傷・オーバーユース障害と、旅館スタッフの腰痛需要が重なる。

さらに山形は豪雪県だ。特に置賜・村山内陸部の除雪腰痛は毎年12〜3月に爆発的に発生する。「雪かき腰痛」は山形の整骨院にとって年間で最も確実な季節需要だ。


第1章:山形県の人口構造と市場規模

1-1. 基本人口データ

| 指標 | 数値 | 備考 |
|------|------|------|
| 総人口 | 約102万人 | 全国35位(減少中)|
| 高齢者人口(65歳以上) | 約36万人 | 高齢化率約35% |
| 生産年齢人口(15〜64歳) | 約55万人 | 構成比約54% |
| 年少人口(0〜14歳) | 約10万人 | 構成比約10% |

主要都市別人口:

| 市町村 | 人口 | 特性 |
|--------|------|------|
| 山形市 | 約24万人 | 県庁所在地・山形鋳物・蔵王温泉・商業 |
| 鶴岡市 | 約12万人 | 庄内平野の稲作・だだちゃ豆・慶應先端研(バイオ)|
| 酒田市 | 約9.5万人 | 酒田港・庄内米・漁業・製造業 |
| 米沢市 | 約7.6万人 | 米沢牛・米沢織・上杉家城下町・製造業(電機)|
| 天童市 | 約6.2万人 | 将棋駒(全国シェア9割超)・果樹・天童温泉 |
| 東根市 | 約4.8万人 | さくらんぼ(佐藤錦発祥)・山形空港・工業団地 |
| 寒河江市 | 約4万人 | さくらんぼ・果樹・チェリーランド |
| 上山市 | 約2.8万人 | かみのやま温泉・ワイン・果樹 |
| 新庄市 | 約3.3万人 | 最上地方の中心・豪雪地帯・農業 |
| 長井市・南陽市(置賜)| 各2.5〜3万人 | 農業・製造業・豪雪 |

1-2. 生産年齢人口の需要構造

①果樹農家(東根市・寒河江市・天童市・村山市・上山市)
さくらんぼ(全国シェア約7割・年産約1万トン)・ラ・フランス(全国シェア約8割)・ぶどう・りんご・桃。村山地方に果樹農家が密集する。脚立での上向き作業(摘果・収穫・剪定)による頸椎症・肩関節周囲炎・腰痛が慢性化している。

②稲作農家(鶴岡市・酒田市の庄内平野)
「つや姫」「雪若丸」「はえぬき」のブランド米産地。田植え・稲刈り・籾運搬の前傾重labor。だだちゃ豆(鶴岡市)の収穫・選別作業も加わる。

③製造業従事者(米沢市・山形市・東根市・長井市)
米沢市は東北有数の電機・半導体関連の集積地(旧NEC系・ルネサス系)。東根市の工業団地には自動車部品・機械加工が立地。立ち仕事・重量物搬送・細密組立の腰痛・肩こり需要がある。

④伝統工芸職人(天童市・山形市・米沢市)
天童将棋駒(全国シェア9割超)・山形鋳物(鉄瓶・茶の湯釜)・米沢織。長時間の前傾細密作業による頸肩腕症候群・腰痛。

⑤観光・旅館業従事者(蔵王温泉・銀山温泉・かみのやま温泉・天童温泉)
蔵王温泉(山形市)・銀山温泉(尾花沢市・大正ロマンの町並みで全国的人気)・かみのやま温泉・天童温泉・湯野浜温泉(鶴岡市)。旅館スタッフの布団・配膳・清掃による腰痛需要。

⑥スキーヤー・スノーボーダー(蔵王温泉スキー場)
樹氷で世界的に知られる蔵王温泉スキー場には国内外(特に台湾・オーストラリア)からスキー客が来訪。転倒外傷・膝靭帯損傷・オーバーユース障害の需要。

1-3. 市場規模推計

| 指標 | 数値 |
|------|------|
| 施術所数(R4確定値) | 342院 |
| 推計年間市場規模 | 約410〜490億円 |


📌 第1章の急所
さくらんぼの収穫期は6月中旬〜7月上旬の約3週間に集中する。この間、果樹農家は「休むと収入が消える」ため、首・肩・腰が悲鳴を上げても我慢して働き続ける。狙うべきは収穫直後の7月中旬だ。「さくらんぼ収穫おつかれさまでした。酷使した首・肩をリセットしませんか」というLINE・チラシを7月第2週に投下した院が、村山地方の果樹農家需要を総取りできる。


第2章:施術所数・競合密度の実態

2-1. 山形県の競合密度

| 指標 | 山形県 | 全国平均 |
|------|--------|----------|
| 施術所数(R4確定値) | 342院 | 50,919院 |
| 競合密度 | 約33.5院/10万人 | 約40.7院/10万人 |
| 人口 | 約102万人(全国35位) | — |

2-2. エリア別競合密度(推計)

| エリア | 推計競合密度 | 特性 |
|--------|-------------|------|
| 山形市中心部 | 40〜55院/10万人 | 県庁所在地。全国平均前後 |
| 山形市郊外 | 28〜40院/10万人 | 住宅地。中低競合 |
| 天童市・東根市 | 25〜38院/10万人 | 果樹×工業団地。中低競合 |
| 寒河江市 | 20〜32院/10万人 | 果樹地帯。低競合 |
| 米沢市 | 22〜34院/10万人 | 製造業×城下町。低〜中競合 |
| 鶴岡市 | 20〜30院/10万人 | 庄内の中心。低競合 |
| 酒田市 | 18〜28院/10万人 | 港湾×稲作。低競合 |
| 上山市・南陽市 | 15〜25院/10万人 | 温泉×果樹×農業。低競合 |
| 新庄市・最上地方 | 10〜18院/10万人 | 豪雪×農業。最低水準 |
| 尾花沢市(銀山温泉)| 8〜15院/10万人 | 温泉観光×スイカ農業。最低水準 |
| 長井市・置賜西部 | 10〜18院/10万人 | 農業×製造業。最低水準 |


📌 第2章の急所
村山地方の果樹地帯(東根・寒河江・村山・上山)は「人口あたりの農業従事者比率が高い×競合密度が低い」という整骨院にとって最良の組み合わせだ。特に寒河江市は「さくらんぼの本場」を名乗る市でありながら、果樹農家専門を掲げた院がない。MEO口コミ30〜50件で地域トップが取れるハードルの低さも含め、山形で最初に狙うべきエリアだ。


第3章:山形市×蔵王温泉の市場地図

3-1. 山形市(人口約24万人)

| エリア | 特性 | 競合 |
|--------|------|------|
| 山形駅・七日町周辺 | 商業・行政の中枢 | 最も競合が高い |
| 山形市南部(南館・青田)| 住宅地×医療集積(県立中央病院ほか)| 中競合 |
| 山形市北部(嶋・馬見ヶ崎)| 新興住宅地・商業施設 | 中競合。子育て層 |
| 蔵王温泉(市街地から車30分)| スキー場×温泉旅館 | 超低競合 |

山形市北部の嶋地区は区画整理で子育て世帯が集中した山形の新興エリアだ。産後骨盤矯正・子ども連れOK設計の院がまだ少なく、ファミリー特化の余地がある。

3-2. 蔵王温泉×スキー需要

蔵王温泉スキー場は樹氷(アイスモンスター)で世界的に知られ、冬季は国内外のスキー客が集中する。

  • スキー・スノーボードの急性外傷:転倒による膝靭帯損傷・手関節捻挫・打撲。「ゲレンデ帰りに当日対応OK」の訴求が刺さる

  • 旅館スタッフの腰痛:蔵王温泉の旅館・ホテルの繁忙期(12〜3月・樹氷シーズン)後のケア需要

  • 外国人スキー客:台湾・オーストラリア・韓国からの来訪が増加。英語対応は蔵王エリアでほぼ空白


📌 第3章の急所
蔵王温泉は「冬に稼いで夏は閑散」の典型的スキー場経済圏だ。山形市街地の院が「冬季だけ蔵王向けの外傷対応・英語発信を強化する」という季節スイッチ型の設計なら、固定費を増やさずに冬季需要を上乗せできる。蔵王に常設院を出すのではなく、市街地の院が冬季にゲレンデ需要を取り込むのが現実解だ。


第4章:さくらんぼ農家の首・肩——山形にしかない「上向き腰痛市場」

4-1. 果樹農家の身体負荷は「稲作と真逆」

| 作業 | 身体負担 | 障害 |
|------|---------|------|
| 摘果・収穫(脚立上)| 首を反らせた上向き姿勢の持続・腕の挙上保持 | 頸椎症・肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)・腱板損傷 |
| 剪定(冬季)| 上向き+鋏の反復握り込み | 頸肩腕症候群・肘外側上顆炎 |
| 雨よけテント張り(さくらんぼ)| 高所・上向き・重いシートの張架 | 肩・腰の急性痛・転落外傷 |
| 収穫物の搬送 | コンテナの反復持ち上げ | 腰痛 |
| 脚立昇降の繰り返し | 膝への反復負荷 | 変形性膝関節症 |

**山形の果樹農家は「首と肩の患者」だ。**腰痛前提の農家向け訴求では響かない。「脚立作業で上がらなくなった肩、反らすと痛む首を診る院」という訴求が村山地方でだけ成立する。

4-2. 果樹カレンダーと来院設計

| 時期 | 農作業 | 狙うべき施策 |
|------|--------|-------------|
| 1〜3月 | 剪定(雪中作業)| 「剪定の肩・肘ケア」+雪かき腰痛対応 |
| 4〜5月 | 受粉・摘果 | 繁忙期前のメンテナンス訴求 |
| 6月中旬〜7月上旬 | さくらんぼ収穫(最繁忙)| 手を出さない。夜間・早朝の緊急対応のみ告知 |
| 7月中旬〜8月 | 収穫明け | 年間最大の集患チャンス。「収穫おつかれさま」訴求 |
| 9〜11月 | ぶどう・ラ・フランス・りんご収穫 | 品目リレーに合わせた継続ケア |
| 12月 | 雪囲い・出荷調整 | 雪かき腰痛シーズン開始 |

4-3. JAさくらんぼひがしね・JAてんどうへの連携

村山地方のJA(JAさくらんぼひがしね・JAてんどう・JAさがえ西村山)は農家コミュニティの中枢だ。「果樹農家の首・肩セミナー」をJA経由で開催し、収穫明けの7月に体験施術会を組むのが最速の信頼構築ルートだ。


📌 第4章の急所
さくらんぼ農家の高齢化で「収穫アルバイト・援農者」が毎年6月に全国から村山地方へ集まる。この短期就労者も脚立作業初心者ゆえに首・肩を痛めやすい。「援農バイトで痛めた方、当日対応します」という訴求は、農家本体とは別の追加需要として6〜7月に確実に発生する。


第5章:庄内平野の稲作×酒田港×鶴岡バイオ

5-1. 庄内平野の稲作農家(鶴岡市・酒田市)

「つや姫」「雪若丸」を生む庄内平野は日本を代表する米どころだ。稲作農家の身体負荷は前傾・重量物型で、村山の果樹農家とは対照的だ。

  • 田植え・補植の前傾姿勢

  • 稲刈り期の籾袋(30kg)搬送

  • 冬季の農機具整備・雪囲い

だだちゃ豆(鶴岡市白山地区)の収穫・選別(8月)は座位前傾の細かい作業が続き、腰・首への負荷が大きい。

5-2. 酒田港の漁業・港湾労働

酒田港は庄内浜の漁業拠点(寒鱈・岩牡蠣・ハタハタ)であり、リサイクルポートとしての港湾物流も持つ。漁師の網作業・港湾作業員の重量物搬送の腰痛需要がある。冬の日本海の時化で出漁が制限される1〜2月は、漁師が身体をメンテナンスできる唯一の時期だ。

5-3. 鶴岡サイエンスパークの研究職・デスクワーカー

鶴岡市には慶應義塾大学先端生命科学研究所を核としたサイエンスパークがあり、Spiber(人工タンパク質素材)などのバイオベンチャーが集積する。地方都市には珍しい「研究職・エンジニアのデスクワーク性頸肩腕・腰痛」という都市型需要が鶴岡には存在する。


📌 第5章の急所
庄内は「出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山)」の山岳信仰の地で、羽黒山の2,446段の石段を登る参拝者・観光客が通年訪れる。「石段登拝で膝・腰を痛めた参拝者への当日対応」は鶴岡市の院が取れる小さくても確実な観光需要だ。


第6章:天童将棋駒×米沢製造業×伝統工芸の職人需要

6-1. 天童の将棋駒職人

天童市は全国の将棋駒生産の9割以上を占める。藤井聡太ブーム以降、将棋駒・天童の知名度は全国区になった。

  • 彫り駒・彫埋駒・盛上駒の製作は、長時間の座位前傾+手元凝視の細密作業

  • 頸肩腕症候群・眼精疲労由来の首こり・腰痛が職業病

  • 職人の高齢化が進み、身体のケアが職人寿命に直結する

「将棋駒職人の首・肩・手を診る院」は天童市でしか成立しない全国唯一の訴求だ。天童温泉の旅館スタッフ需要(将棋の対局場としても使われる温泉街)も重ねられる。

6-2. 米沢市の製造業×米沢牛×米沢織

  • 電機・半導体関連:米沢は東北有数の電子デバイス集積地。クリーンルーム内の立ち仕事・細密組立の肩こり・腰痛

  • 米沢牛の畜産農家:飼育・給餌・堆肥処理の重労働

  • 米沢織の織元:織機作業の前傾姿勢・反復動作

米沢市は置賜地方の中心で、高畠町・川西町・南陽市からの来院も見込める広域商圏を持つ。

6-3. 山形鋳物・打刃物(山形市)

山形鋳物(鉄瓶・茶の湯釜)の鋳造作業は、重い鋳型・溶湯の取り扱いと前傾姿勢の造型作業が続く。小規模ながら「職人の街・山形」の文脈で訴求に使える。


📌 第6章の急所
職人需要は絶対数こそ小さいが、「地域の象徴を診る院」というブランド効果が絶大だ。天童で将棋駒職人を診る院になれば、地元紙(山形新聞)・テレビ局の取材対象になりやすく、広告費ゼロで市全域への認知が取れる。職人3人の患者獲得が、広告換算で数百万円分の露出を生む——これが伝統工芸地での「象徴患者戦略」だ。


第7章:山形に刺さる集客チャネルの現実

7-1. MEO——村山果樹地帯・最上・置賜は即独占可能

| エリア | 地域1位に必要な口コミ数(推計)| 優先度 |
|--------|-------------------------------|------|
| 山形市中心部 | 90〜150件 | 競合が集中 |
| 山形市郊外 | 60〜95件 | 中期目標 |
| 天童市・東根市 | 40〜65件 | 短期で達成可能 |
| 寒河江市 | 30〜50件 | 今すぐ達成可能 |
| 米沢市 | 40〜60件 | 短期で達成可能 |
| 鶴岡市 | 35〜55件 | 短期で達成可能 |
| 酒田市 | 30〜50件 | 今すぐ達成可能 |
| 新庄市・最上 | 12〜25件 | 即独占可能 |
| 尾花沢市 | 8〜15件 | 即独占可能 |

7-2. LINE公式アカウント——果樹×雪×温泉カレンダー連動

| 月 | 配信テーマ |
|----|-----------|
| 12〜3月 | 「雪かき腰痛は我慢しない。ぎっくり腰の当日対応OK」|
| 1〜3月 | 「剪定作業の肩・肘、シーズン中の定期ケアを」|
| 6月上旬 | 「さくらんぼ収穫前の身体メンテナンス、今のうちに」|
| 7月中旬 | 「収穫おつかれさまでした。首・肩・腰のリセット予約受付中」(年間最重要配信)|
| 9〜11月 | 「ぶどう・ラ・フランス・りんご収穫リレー。品目の合間にケアを」|

7-3. JA・漁協・企業への法人営業

  • JAさくらんぼひがしね・JAてんどう・JAさがえ西村山への「果樹農家の首・肩セミナー」

  • JA庄内たがわ・JA庄内みどりへの「稲作農家腰痛予防プログラム」

  • 米沢・東根の工業団地企業への「製造ライン従事者ケア」法人提案

  • 蔵王温泉・天童温泉・かみのやま温泉の旅館組合への法人契約提案

7-4. 冬季の除雪需要——山形で最も確実な季節商戦

山形県は県土のほぼ全域が豪雪地帯だ。12〜3月の雪かき腰痛・ぎっくり腰は毎年必ず発生する「計算できる需要」だ。降雪予報と連動したLINE配信(大雪翌日の「雪かき後の腰、悪化する前に」)が最も反応率の高い施策になる。


📌 第7章の急所
山形は「持ち家率・三世代同居率が全国トップクラス」の県だ。祖父母→親→子の三世代が同じ家に住むため、一人の患者の信頼を得ると家族全員が患者になる「家族丸ごと来院」が起きやすい。都市部の「個人単位の集患」と違い、山形では「一家の主婦(キーパーソン)を掴む」ことが3〜5人分の患者獲得に直結する。


第8章:山形の勝ちパターン5選

パターン①【寒河江・東根・果樹特化型】さくらんぼ農家の首・肩専門で村山を制す

  • ターゲット:村山地方の果樹農家(40〜70代)

  • 武器:「脚立作業の首・肩専門」訴求×JA連携×収穫明け7月の集中販促×MEO口コミ30〜50件

  • 月商目標:130〜170万円

  • 注意点:果樹農家の売上は6〜7月に集中するため、財布の紐が最も緩むのも収穫直後だ。自費メニューの提案は7〜8月に集中させる

パターン②【天童市・職人×温泉×果樹複合型】将棋駒の街の象徴になる

  • ターゲット:将棋駒職人+天童温泉旅館スタッフ+果樹農家

  • 武器:「将棋駒職人の首・肩・手を診る院」という全国唯一の訴求×地元メディア露出×温泉旅館法人契約

  • 月商目標:140〜185万円

  • 注意点:職人単体では患者数が限られる。職人=広報の顔、収益=旅館法人+果樹農家+一般患者という「役割分担設計」を明確にする

パターン③【鶴岡市・庄内複合型】稲作×バイオ研究職×出羽三山観光の三本柱

  • ターゲット:庄内平野の稲作農家+サイエンスパークの研究職+羽黒山観光客

  • 武器:「農家の腰×デスクワーカーの首」の二正面メニュー×JA庄内連携×MEO口コミ35〜55件

  • 月商目標:140〜180万円

  • 注意点:研究職・エンジニア層は自費リテラシーが高く、自費コンディショニングへの移行が速い。農家(保険中心)と研究職(自費中心)の収益ミックスが庄内での理想形だ

パターン④【米沢市・置賜広域型】電機工場×畜産×城下町の広域商圏を取る

  • ターゲット:米沢の電子デバイス工場従事者+米沢牛畜産農家+置賜3市5町の住民

  • 武器:「工場勤務の肩こり・立ち仕事腰痛専門」×工業団地への法人営業×MEO口コミ40〜60件

  • 月商目標:150〜195万円

  • 注意点:米沢は冬の降雪が特に多い。12〜3月の雪かき腰痛需要が年間売上の底上げになるため、冬季の診療枠・スタッフ体制を厚くする

パターン⑤【山形市北部・ファミリー型】嶋エリアの子育て世帯を面で取る

  • ターゲット:山形市北部の新興住宅地の子育て世帯(20〜40代)

  • 武器:産後骨盤矯正×キッズスペース×学生スポーツ外傷対応×MEO口コミ70〜95件

  • 月商目標:170〜220万円

  • 注意点:山形市は競合が県内で最も多い。「子連れ対応」の徹底(ベビーベッド・保育士資格スタッフ・予約枠の親子連動)で郊外型の王道を確実に作り込むこと


📌 第8章の急所
パターン①(果樹特化)とパターン②(天童複合)は車で20分圏内の隣接商圏だ。2院体制で「村山果樹地帯の首・肩を診るグループ」を作った場合、さくらんぼ→ぶどう→ラ・フランス→りんごの収穫リレー(6〜11月)と雪かき needs(12〜3月)で年間を通じた需要の波を2院で吸収し合える。合計月商270〜355万円の地域独占モデルが見えてくる。


まとめ——山形で整骨院を経営するということ

山形の整骨院市場を一言で表すなら、「果樹王国だけが持つ『上向き作業の首・肩市場』が、誰にも掘られずに残っている県」だ。

さくらんぼ農家の首、将棋駒職人の肩、庄内稲作農家の腰、蔵王のスキーヤーの膝、そして全県民の雪かき腰痛——これらは全て「発生時期が予測できる需要」だ。カレンダー通りに需要が来る市場ほど、経営計画が立てやすい市場はない。

山形で勝つための3原則

① 「腰」ではなく「首・肩」で訴求する
全国の整骨院の農家向け訴求は腰痛一辺倒だ。山形の果樹農家に刺さるのは「脚立作業で上がらなくなった肩」「反らすと痛む首」。この訴求の転換だけで、村山地方の農家の反応率が変わる。

② 7月中旬の「収穫明け販促」に年間最大の力を注ぐ
さくらんぼ収穫明けは、農家の身体が最も悲鳴を上げ、財布が最も潤う瞬間だ。この2週間に販促を集中させた院が村山の果樹農家市場を取る。

③ 雪を「確実な冬季収益」に変える
12〜3月の雪かき腰痛は山形で最も計算できる需要だ。大雪翌日のLINE配信・当日対応枠の確保という仕組みを作った院は、閑散期のない年間売上構造を持てる。


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著者プロフィール

著者プロフィール:宮澤 駿
ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部 本部長

大学卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。入社後は12年間、整骨院を中心に治療院業界のコンサルティングに特化し、成功事例企業を多数輩出。業界のM&Aにも携わりながら、部長として社内マネジメントも経験。「お客様の純粋な成長」を実現掲げるピュアグロースの理念に共感しヘルスケア事業本部を2026年4月に立ち上げ。パーソナルパーパスは「業界・企業・人の可能性を信じ、伴走し、未来を共に創る」。

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本レポートはR4衛生行政報告例(厚生労働省)確定データ・各種公開統計および業界調査をもとに執筆しています。

宮澤駿

この記事の監修者

宮澤 駿ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部 本部長

株式会社船井総合研究所で12年間、整骨院・治療院業界のコンサルティングに特化し、成功事例企業を多数輩出。業界のM&Aにも携わり、部長として社内マネジメントも経験。「お客様の純粋な成長」を掲げるピュアグロースにて、2026年ヘルスケア事業本部を立ち上げ。

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