COLUMN
2026.06.24|整骨院マーケットレポート
シリーズについて
このレポートは「47都道府県 整骨院マーケットレポート」シリーズの第20回。ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部が、都道府県ごとの整骨院市場を人口構造・競合密度・エリア特性・勝ちパターンの4軸で徹底分析します。経営判断・出店戦略・差別化設計の実務に直接使えるデータをまとめました。
長崎県の競合密度は約43.6院/10万人。全国平均(40.7院)をやや上回る。しかし長崎市・佐世保市という2大都市に院が集中しており、離島(対馬・壱岐・五島・平戸)と農村部は整骨院がほぼ存在しない。
長崎の市場を最も特徴づけるのが造船業だ。
三菱重工長崎造船所は明治以来の歴史を持つ日本造船業の聖地だ。豪華客船・LNG船・艦艇の建造を続ける世界最高水準の現場で、溶接工・鉄鋼加工・塗装・足場大工が働いている。高温・重量物・不自然な姿勢での造船作業は腰痛・肩こりの発生率が全職種の中でも最高水準だ。しかし「造船職人の腰を専門に診る院」は長崎市内にほとんどない。
二つ目の独自市場が松浦・対馬・壱岐・五島の漁業だ。長崎は漁業産出額全国上位の漁業県だ。松浦のアジ・サバ(全国最大水揚げ量)、対馬のマグロ・タイ、壱岐のイカ・アワビ、五島の鯛——この漁業を支える漁師たちは船上の重労働で腰・肩を慢性的に傷めている。しかし離島の漁師が整骨院に通うには「フェリーで本土に渡る」必要があり、現実には来院できない。
三つ目が対馬の韓国人観光客だ。コロナ前の対馬には年間40万人以上の韓国人観光客が訪れた。韓国は整体・接骨院文化が浸透しており、「日本の整骨院に体験」という潜在ニーズがある。韓国語(한국어)の問診票・SNS対応があるだけで、対馬の整骨院は全国最もユニークな需要源を持てる。
四つ目が大村市の成長市場だ。長崎空港・製造業集積で長崎県内で唯一人口が増加しているこのエリアは、競合密度が低いまま需要が伸び続けている。
長崎は「院に来ない層」ばかりの県だ。だからこそ、その層を動かすポジションを最初に取った院が長崎の市場を作る。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|------|------|------|
| 総人口 | 約126万人 | 全国29位(全国有数の速さで減少中)|
| 高齢者人口(65歳以上) | 約41万人 | 高齢化率約33% |
| 生産年齢人口(15〜64歳) | 約70万人 | 構成比約56% |
| 年少人口(0〜14歳) | 約14万人 | 構成比約11% |
長崎県の人口減少は全国でも最も深刻な水準だ。2030年には110万人台に落ちる見通しがある。特に離島・農村部の過疎・高齢化が急速で、一部の離島では高齢化率50%を超えている。
主要都市別人口:
| 市町村 | 人口 | 特性 |
|--------|------|------|
| 長崎市 | 約41万人 | 県庁所在地・造船・平和・坂の街・港湾 |
| 佐世保市 | 約24万人 | 米海軍基地・海自・ハウステンボス・造船 |
| 諫早市 | 約13万人 | 農業・製造業・長崎本線の結節点 |
| 大村市 | 約9.5万人 | 長崎空港・製造業・県内唯一の人口増加市 |
| 島原市 | 約4万人 | 島原城・雲仙普賢岳・農業(島原半島) |
| 雲仙市 | 約4万人 | 雲仙温泉・農業・観光 |
| 対馬市 | 約2.8万人 | 漁業・農業・韓国人観光・自衛隊駐屯地 |
| 壱岐市 | 約2.5万人 | 漁業(イカ・アワビ)・農業・観光 |
| 五島市 | 約3.5万人 | 離島漁業・世界遺産(キリスト教遺産)|
| 平戸市 | 約2.7万人 | 漁業(ウニ・アジ)・観光・農業 |
| 松浦市 | 約2万人 | 漁業(アジ・サバ全国最大水揚げ)|
①造船業従事者(長崎市・佐世保市)
長崎市の三菱重工長崎造船所は豪華客船・LNG船・艦艇を建造する世界最高水準の造船所だ(明治日本の産業革命遺産として世界遺産登録)。溶接工・鉄鋼加工・塗装工・足場大工・クレーンオペレーターなどの造船従事者は、高温・振動・重量物・不自然な作業姿勢による腰痛・肩痛の発生率が特に高い。佐世保市の佐世保重工業(SSK)も護衛艦・補助艦の建造を続ける。
②漁業従事者(松浦・対馬・壱岐・五島・平戸)
長崎県は漁業産出額が全国上位に入る漁業県だ。
| 産地 | 主要魚種 | 漁業の特性 |
|------|---------|-----------|
| 松浦市 | アジ・サバ | 全国最大水揚げ量。巻き網漁船の重労働 |
| 対馬市 | マグロ・タイ・アワビ・ウニ | 対馬海峡の延縄・刺し網漁業 |
| 壱岐市 | イカ・アワビ | 一本釣り・素潜り漁業の重労働 |
| 五島市 | 鯛・アジ・アワビ | 延縄・刺し網漁業 |
| 平戸市 | ウニ・タコ・アジ | 素潜り・定置網漁業 |
船上の不安定な姿勢・重い漁具の引き揚げ・強風・波動による腰痛・肩痛が慢性化している。
③米軍・自衛隊関係者(佐世保市・対馬市)
佐世保基地(米海軍)と海上自衛隊佐世保地方隊は佐世保市の経済基盤だ。米海軍関係者(軍人・軍属・家族)と自衛官(海上自衛隊)の需要が重なる。対馬駐屯地(陸上自衛隊)は対馬市の貴重な経済インフラだ。
④農業・観光業従事者(島原・雲仙・諫早湾干拓)
島原半島(島原市・南島原市・雲仙市)はトマト・ハウス野菜・長崎びわ(全国1位)の産地だ。農業従事者の腰痛需要と、雲仙温泉・島原城の観光業従事者の腰痛需要が重なる。
| 指標 | 数値 |
|------|------|
| 施術所数(R4確定値) | 549院 |
| 推計年間市場規模 | 約659〜791億円 |
📌 第1章の急所
長崎は日本全国で最も離島を多く抱える都道府県だ(有人島の数が全国最多)。離島では整骨院が存在しないエリアが大多数で「整骨院という選択肢を知らない住民」が多い。離島への訪問施術(法的要件を満たした形)や、本土来院時の定期施術を仕組み化できた院が、離島住民の「長崎本土での整骨院」になる可能性がある。
| 指標 | 長崎県 | 全国平均 |
|------|--------|----------|
| 施術所数(R4確定値) | 549院 | 50,919院 |
| 競合密度 | 約43.6院/10万人 | 約40.7院/10万人 |
| 人口 | 約126万人(全国29位) | — |
全国平均をやや上回るが、これは長崎市・佐世保市への集中だ。離島・農村は全国最低水準の競合密度が続く。
| エリア | 推計競合密度 | 特性 |
|--------|-------------|------|
| 長崎市中心部 | 50〜65院/10万人 | 県庁所在地。全国平均以上。差別化必須 |
| 長崎市周辺(住宅地・郊外)| 35〜50院/10万人 | 中競合。造船エリアに近い |
| 佐世保市中心部 | 45〜60院/10万人 | 米軍×自衛隊×観光。全国平均以上 |
| 諫早市 | 30〜45院/10万人 | 農業×製造業。中競合 |
| 大村市 | 25〜38院/10万人 | 成長市場。低〜中競合 |
| 島原市・雲仙市 | 20〜35院/10万人 | 農業×温泉観光。低〜中競合 |
| 対馬市 | 10〜20院/10万人 | 漁業×韓国人観光。低競合 |
| 壱岐市 | 5〜15院/10万人 | 漁業×観光。最低水準 |
| 五島市 | 5〜15院/10万人 | 離島漁業。最低水準 |
| 平戸市・松浦市 | 10〜20院/10万人 | 漁業。低競合 |
| 小値賀島・上五島など | ほぼ0院 | 離島過疎。医療過疎地域 |
📌 第2章の急所
壱岐市・五島市の競合密度は全国でも最低水準だ。五島市(人口約3.5万人)は世界遺産(長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産)の島で、近年外国人観光客が増加している。五島で「英語・韓国語・中国語対応の整骨院」を開業すれば、離島医療過疎への地域貢献と観光業への付加価値提供を同時に実現できる。
坂の街・港の街・平和の街——長崎市は起伏に富んだ地形と歴史が重なる独特の都市だ。
競合密度:中心部で50〜65院/10万人。全国平均を上回る高競合エリア
造船エリア(三菱重工周辺・長崎港周辺):長崎市中心部に隣接する工場地帯。造船従事者の職住近接エリア
坂の街の高齢者需要:長崎市の地形は急峻な坂が多く、高齢者の移動が困難。「坂の多い長崎で通いやすい院」という立地設計が重要
長崎くんち・精霊流し:地域コミュニティの結束が強い。地域の「顔」になった院は口コミが広がりやすい
在日米海軍佐世保基地が市の経済基盤の一つをなす「基地の街」だ。ハウステンボス(年間200万人の来場者)・九十九島の観光でも全国に知られる。
米軍関係者需要:英語対応の整骨院が少ない佐世保市で、英語問診票・英語説明ができる院は米軍家族層を独占できる
海上自衛隊需要:佐世保地方隊の自衛官・家族が大村市〜佐世保市に居住している
ハウステンボス従業員:観光施設の立ち仕事・接客による腰痛需要
造船(佐世保重工業):護衛艦・補助艦の建造工場従事者の腰痛・肩こり需要
長崎県内で唯一人口が増加し続けている例外的な市だ。長崎空港の立地・製造業(輸送用機械・電子部品)の集積・住宅開発が進んでいる。
競合密度が低いまま人口増加:整骨院の絶対数が少ないまま需要が増えているブルーオーシャン
長崎空港関連需要:空港スタッフ・関連企業従業員の立ち仕事・重量物運搬による腰痛
製造業従事者:大村工業団地・西彼杵半島の工場従業員
航空自衛隊大村基地(海上自衛隊大村航空基地):自衛官・家族の需要
📌 第3章の急所
大村市は長崎県の「例外市場」だ。県内全体が人口減少の中、大村市だけが増加を続けている。競合密度が低く需要が伸びているこのエリアで「今すぐMEOを整備した院」が、5年後に大村市で最も口コミの多い院として君臨する。このチャンスは10年以内に失われる可能性が高い。動くなら今だ。
長崎市は日本造船業の発祥地の一つだ。
| 造船所 | 所在地 | 主要建造物 | 規模 |
|--------|--------|-----------|------|
| 三菱重工長崎造船所 | 長崎市 | 豪華客船・LNG船・艦艇 | 従業員数千人規模 |
| 佐世保重工業(SSK)| 佐世保市 | 護衛艦・補助艦・民間船 | 従業員数千人規模 |
| 長崎造船所 香焼工場 | 長崎市香焼町 | 大型LNG船・タンカー | 大規模工場 |
三菱重工長崎造船所は「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に登録されており、今も現役で稼働している。
造船現場の作業工程と身体負担:
| 作業工程 | 主な身体負担 | 発生しやすい障害 |
|---------|------------|----------------|
| 溶接作業 | 前傾・中腰での長時間溶接姿勢・高温環境 | 腰痛・頸肩腕症候群 |
| 鉄鋼加工・切断 | 重量物搬送・振動工具の使用 | 腰痛・振動障害 |
| 塗装作業 | 足場での不安定な姿勢・上肢挙上 | 肩こり・腰痛 |
| 足場組み立て | 重い足場材の搬送・高所作業 | 腰痛・膝痛・転落リスク |
| 艤装作業 | 船内の狭い場所での作業・重機部品の搬入 | 腰痛・肩こり |
①「造船従事者の腰・肩専門」の明確な訴求
長崎市内のGoogleビジネスプロフィール・HPに「三菱重工・造船所従事者の腰痛・肩こりに特化した施術」という記載を入れる。造船職人が「自分のための院だ」と認識した瞬間に来院の障壁が消える。
②造船所の就業時間に合わせた診療枠設計
造船所は早朝始業(7〜8時)・17〜18時終業のシフトが多い。早朝8時開院または19〜20時の夜間診療枠を設けることで、終業後に来院できる造船従事者の受け皿になる。
③三菱重工の労働組合・健康保険組合への法人提案
三菱重工長崎造船所クラスの大企業は健康保険組合が充実している。「従業員の腰痛予防プログラム」の法人提案が直接的な集患ルートになる可能性がある。
📌 第4章の急所
長崎の造船業は「振動工具を使う作業」が多い。グラインダー・インパクトレンチ・チッパーなどの振動工具を日常的に使う造船従事者には、手・腕の振動障害(白蝋病・レイノー現象)リスクがある。整骨院が「振動障害の手首・肘ケア」を専門メニューとして打ち出している院は長崎市内でほぼ存在しない。ここが造船エリア特化院の穴だ。
長崎県は漁業産出額全国上位(長年1〜3位を維持)の漁業県だ。
漁業の身体負担:
巻き網漁(松浦のアジ・サバ):漁船での長時間の立ち仕事・重い魚網の扱い・波動による体幹への負荷
延縄漁(対馬のマグロ):長い縄と大型魚の取り込みによる腰・肩への集中的な負荷
素潜り漁(壱岐・平戸のアワビ):水中での全身的な負荷・冷水による筋肉硬直・腰椎への反復的な負荷
一本釣り(五島の鯛・アジ):長時間の固定姿勢・竿を持ち続ける上肢・肩への疲労
漁業従事者への最大の障壁は**「来院できる時間がない」**という物理的な問題だ。特に離島漁師はフェリーに乗って本土に出てくる機会が限られている。
①漁協(JFながさき・各島の漁協)との連携
長崎県漁業協同組合連合会(JFながさき)や各島の漁協との連携で「漁師の腰痛・肩痛予防セミナー」を開催する機会を作る。漁協の担当者を通じた紹介患者は来院率・継続率が高い。
②「漁閑期に集中来院」設計
松浦のアジ・サバ漁業は禁漁期(一定期間)がある。この漁閑期に「まとめてケアする月3〜4回コース」を提案することで、「忙しい漁師でも繁忙期以外には来院できる」パターンを作る。
③松浦市・平戸市の本土院が「漁師向けの院」として認知される
松浦市・平戸市は本土にあるため対馬・壱岐の漁師が「本土に来た時に行く院」になれる。「漁師専門の施術」を打ち出した院が松浦・平戸エリアで地域一番院になりやすい。
📌 第5章の急所
壱岐・五島の離島漁師は「年に数回、長崎市や佐世保市に来る機会(農協の会議・病院受診・買い出し)」がある。この来島・来市タイミングに合わせて「離島漁師も来院しやすい夜間・週末の優先予約枠」を長崎市・佐世保市の院が設けることで、離島の漁師を患者として取り込むことができる。「壱岐・五島から来る患者を受け入れる院」という口コミが離島コミュニティで広がると患者獲得が連鎖する。
対馬市(人口約2.8万人)はコロナ前に年間40万人以上の韓国人観光客が訪れた特殊な観光地だ。釜山から高速船でわずか約1時間——この地理的近接性が韓国人を引き寄せる。
| 指標 | 数値(コロナ前・2019年前後)|
|------|--------------------------|
| 年間韓国人観光客数 | 約40〜45万人 |
| 対馬市全宿泊客に占める韓国人比率 | 約70〜80% |
| 釜山〜厳原港の高速船所要時間 | 約1時間15分 |
韓国は「한의원(韓医院)」「정형외과(整形外科)」「추나요법(推拿療法)」など体のケア文化が非常に発達している国だ。「日本の整骨院に行ってみたい」という潜在ニーズが韓国人観光客に存在する。
①韓国語(한국어)対応の徹底
韓国語問診票(통증 부위・증상 체크)
院内の説明・料金表の韓国語表示
GoogleビジネスプロフィールのKorean投稿
NaverマップへのKorean登録(韓国人は日本でもNaverマップを使う)
②NaverマップとKakaoマップへの登録
韓国人観光客が対馬で施設を探す際に使う地図アプリはNaverマップとKakaoマップが主流だ。これらへの登録・口コミ集積が韓国人からの発見率を上げる。
③InstagramとYouTubeでの韓国語発信
「日本の整骨院体験(일본 정골원 체험)」という韓国語コンテンツを発信する。対馬を訪れる韓国人がInstagram・YouTubeで対馬情報を調べる際に院の存在を認知させる。
④「日本の整骨院とは何か」を韓国語で説明する
韓国に整骨院という概念がないため、「한국의 한의원과 비슷하지만 더 직접적인 수기치료(韓国の韓医院に似ているが、より直接的な手技療法)」という説明コンテンツを用意する。
📌 第6章の急所
対馬への韓国人観光客はコロナ後に回復しつつあり、2024〜2026年にかけてさらに増加が予想される。今のうちにNaverマップ・KakaoマップのKorean登録と口コミを積み上げた院が、韓国人観光客の「対馬に行ったら整骨院に行く」という行動習慣を作ることができる。対馬で整骨院を開業する施術者にとって、韓国語対応は「差別化オプション」ではなく「必須条件」になりつつある。
大村市は長崎県の「例外」だ。長崎県全体が急速な人口減少に直面している中、大村市は人口が増加し続けている。
| 大村市の成長要因 | 内容 |
|---------------|------|
| 長崎空港の立地 | 九州・長崎の玄関口。空港関連雇用が安定している |
| 製造業集積 | 輸送用機械・電子部品・食品加工 |
| 住宅開発 | 長崎市からの転入・ファミリー層の増加 |
| 海上自衛隊大村基地 | 海上自衛隊航空部隊の拠点。自衛官・家族の居住 |
| 大村インターチェンジ | 長崎自動車道の結節点。物流・流通の拠点 |
大村市の競合密度は25〜38院/10万人(推計)で、人口増加と競合の少なさが共存している。今すぐMEOを整備し「大村市で最初に口コミ100件を達成した院」が長期間の地域トップを維持できる。
長崎県は有人島の数が全国最多だ。多くの離島では整骨院がほぼ存在しない。
| 離島 | 人口 | 整骨院数(推計)| 主な需要 |
|------|------|--------------|---------|
| 対馬市 | 約2.8万人 | 数院 | 漁業・農業・自衛隊・韓国人観光 |
| 壱岐市 | 約2.5万人 | 数院以下 | 漁業・農業・観光 |
| 五島市 | 約3.5万人 | 数院以下 | 漁業・農業・世界遺産観光 |
| 平戸市(離島部)| 約2.7万人 | 数院以下 | 漁業・農業 |
| 小値賀島・上五島など | 数千人〜 | ほぼ0 | 漁業・農業・高齢者 |
離島での整骨院開業は「医療過疎地への貢献」という意義があり、行政の移住支援・開業補助を受けられる可能性がある。長崎県・各市の移住支援制度の活用が採用・開業コスト低減の鍵になる。
📌 第7章の急所
大村市の人口増加は「若いファミリー層が多い」という特性がある。この層は子どもの交通事故・スポーツ障害・産後骨盤ケアの需要が高い。「大村市のファミリー向け整骨院」として産後骨盤・小児スポーツ障害に特化した訴求は、長崎市・佐世保市との差別化になる。
| エリア | 地域1位に必要な口コミ数(推計)| 優先度 |
|--------|-------------------------------|------|
| 長崎市中心部 | 150〜250件 | 競合が強い |
| 佐世保市中心部 | 100〜180件 | 中期目標 |
| 諫早市 | 60〜100件 | 取りやすい |
| 大村市 | 50〜80件 | 短期で達成可能 |
| 島原市・雲仙市 | 40〜70件 | 短期で達成可能 |
| 対馬市 | 20〜40件 | 即独占可能 |
| 壱岐市・五島市 | 10〜25件 | 即独占可能 |
| 月 | 配信テーマ |
|----|-----------|
| 3〜5月 | 「春の農作業前に体のメンテを(島原半島・諫早湾干拓農家向け)」|
| 7〜9月 | 「長崎の夏祭り(くんち・精霊流し)の準備で体を痛めた方へ」|
| 10〜11月 | 「漁業の繁忙期前のコンディション調整はいま(松浦・平戸向け)」|
| 12〜1月 | 「年末年始の造船所の作業繁忙期。腰痛が出たら当日OK」|
対馬:Naver・Kakaoマップ登録+韓国語Instagram投稿(対馬観光×整骨院体験コンテンツ)
佐世保:英語Googleビジネス投稿+米軍家族向けFacebook広告
三菱重工・佐世保重工業の健康保険組合への法人提案
JFながさき(長崎県漁業協同組合連合会)への「漁業従事者腰痛予防セミナー」提案
JA長崎県(農業協同組合)への「農業従事者健康管理プログラム」提案
📌 第8章の急所
長崎市・佐世保市の集客優先順位は①MEO整備→②造船所・漁協・農協への法人連携→③LINE季節配信→④産業特化訴求の順だ。対馬に至っては「韓国語Naverマップ登録+韓国語Instagram投稿」だけで競合がほぼいない中での認知獲得ができる。長崎の集客で最も投資対効果が高い行動は「対馬・大村のMEO先行整備」と「対馬の韓国語対応」だ。
ターゲット:長崎市の造船所従事者(溶接工・鉄鋼加工・塗装工)30〜50代
武器:「造船職人専門」訴求×早朝・夜間診療枠×三菱重工健保への法人提案
月商目標:160〜210万円
注意点:造船業は景気変動が大きい。造船需要が落ちた時期の代替需要(長崎市住宅層・医療従事者)を同時設計する
ターゲット:佐世保基地の米海軍関係者(軍人・軍属・家族)+海上自衛隊員・家族
武器:英語問診票×英語Googleビジネス投稿×ハウステンボス観光客への周知
月商目標:150〜200万円
注意点:米軍基地内への直接アプローチは制約があるため、基地外居住の家族層からの口コミを起点にする
ターゲット:大村市の30〜40代ファミリー層・製造業従事者・空港関連スタッフ
武器:MEO口コミ先行集積×産後骨盤・スポーツ障害特化訴求×担当制
月商目標:160〜210万円
注意点:長崎県内で唯一の人口増加市場。今の競合が少ないタイミングを逃さない
ターゲット:対馬市の漁業従事者(通年)+韓国人観光客(春・秋シーズン)
武器:韓国語問診票×Naverマップ登録×韓国語Instagram×漁協連携
月商目標:100〜140万円(韓国人観光ピーク期は150万円超)
注意点:韓国人観光の季節変動が大きい。漁業従事者の通年需要を基盤にして、韓国人観光需要を上乗せする設計が安定経営の鍵
ターゲット:島原市・南島原市・雲仙市のトマト・ハウス野菜農家+雲仙温泉観光業従事者
武器:農閑期集中来院設計×JA島原雲仙との連携×「温泉地の整骨院」という観光客への訴求
月商目標:110〜150万円
注意点:島原半島は地理的に孤立したエリアのため、一度信頼を獲得すると患者が定着しやすい。「島原で一番」になればしばらく競合に奪われない
📌 第9章の急所
パターン④(対馬・韓国人観光×漁業)は「全国唯一に近いポジション」を取れる可能性を持っている。Naverマップで対馬の整骨院が韓国人に認知されれば、釜山・ソウルのSNSで「対馬に行ったら整骨院がおすすめ」という口コミが広がる可能性がある。日本の整骨院文化を韓国に逆輸出する形の認知が生まれれば、対馬の整骨院は業界のニュースになり、採用・多店舗展開への道が開ける。
長崎の整骨院市場を一言で表すなら、「院に来ない層が多い県だが、その層を動かす鍵は長崎固有のポジションにある」だ。
造船職人は「痛くても働く」。離島漁師は「フェリーに乗れない」。韓国人観光客は「整骨院を知らない」。これらは全て、正しいアプローチで突破できる壁だ。
長崎で勝つための3原則
① 長崎固有の産業・属性に名指しで訴求する
「整骨院」という汎用訴求では長崎の造船職人も漁師も韓国人も動かない。「造船所従事者の腰専門」「漁師の体を診る院」「韓国語対応OK・한국어 가능」——産業名・属性名を冠した訴求が、長崎で最速の患者獲得を生む。
② 大村市・対馬市のMEOを今すぐ取りに行く
大村市(口コミ50〜80件で地域トップ)・対馬市(口コミ20〜40件で地域トップ)は、今すぐMEOに取り組めば数ヶ月で地域1位が取れる。人口減少が続く長崎県でこのチャンスが長続きする保証はない。
③ 長崎の産業カレンダーを集客の設計図にする
造船所の繁忙期(年度末工事)・農繁期(島原半島の春夏)・漁繁期(秋〜冬)・韓国人観光シーズン(春・秋)——この波に合わせてLINE配信・チラシ・SNS投稿のタイミングを決める院が、最も低コストで患者を集め続ける。
💬 「うちのエリアで何をすべきか」が気になった院長へ。
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著者プロフィール:宮澤 駿
ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部 本部長
大学卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。入社後は12年間、整骨院を中心に治療院業界のコンサルティングに特化し、成功事例企業を多数輩出。業界のM&Aにも携わりながら、部長として社内マネジメントも経験。「お客様の純粋な成長」を実現掲げるピュアグロースの理念に共感しヘルスケア事業本部を2026年4月に立ち上げ。パーソナルパーパスは「業界・企業・人の可能性を信じ、伴走し、未来を共に創る」。
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本レポートはR4衛生行政報告例(厚生労働省)確定データ・各種公開統計および業界調査をもとに執筆しています。