COLUMN
2026.06.17|整骨院マーケットレポート
シリーズについて
このレポートは「47都道府県 整骨院マーケットレポート」シリーズの第17回。ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部が、都道府県ごとの整骨院市場を人口構造・競合密度・エリア特性・勝ちパターンの4軸で徹底分析します。経営判断・出店戦略・差別化設計の実務に直接使えるデータをまとめました。
新潟の競合密度は約25.4院/10万人。全国平均(40.7院)の約62%。このシリーズで分析してきた47都道府県の中でも最低水準だ。
「競合がこれほど少ないなら参入しやすいはずだ」——その通りだ。しかし新潟の現場には、この低競合を活かしきれていない院が多い。
理由は一つだ。「院に行く習慣が薄い」文化。
農家・漁師・職人・雪国の建設業従事者——これらの層は「痛みを我慢して働く」という気質が全国の中でも特に強い。コシヒカリ農家は腰が悲鳴をあげても稲刈りを終わらせる。燕三条の職人は肩が痛くても磨きを続ける。この「我慢文化」が整骨院の需要を封じ込めている。
だから新潟の整骨院経営の本質的な問いは「競合をどう倒すか」ではなく、「院に来ていない患者をどう動かすか」だ。
その答えが、新潟固有の三つの需要にある。
「雪かき腰痛」。豪雪地帯・新潟では毎年1〜2月に集中して腰痛患者が増える。重い雪を繰り返し持ち上げる雪かき作業は腰への負荷が極めて大きく、この時期の来院動機は「痛みの限界」だ。しかし「雪かき腰痛専門」として訴求している院はほとんどない。
「コシヒカリ農家の腰痛」。魚沼・岩船のブランド米農家は農繁期(5〜6月・9〜10月)に腰痛が急増する。農閑期(11〜4月)に向けて集客を仕込んだ院が需要を取る。
「燕三条の職人需要」。世界に名が通る金属加工の職人は鍛造・磨き作業で肩・腰・手首を慢性的に傷めている。「職人の体を診る院」というポジションを作れた院が地域を独占できる。
指標 | 数値 | 備考
総人口 | 約217万人 | 全国15位(急速に減少中)
高齢者人口(65歳以上) | 約68万人 | 高齢化率約31%
生産年齢人口(15〜64歳) | 約122万人 | 構成比約56%
年少人口(0〜14歳) | 約27万人 | 構成比約12%
高齢化率31%は全国平均(29.1%)を上回る。新潟市・長岡市は比較的若い人口を維持しているが、農村部・山間部(魚沼・南魚沼・十日町・糸魚川)の高齢化率は40%を超えるエリアがある。人口減少は全国の中でも上位の速さで進行しており、2030年には190万人台に落ちる見通しだ。
主要都市別人口:
市町村 | 人口 | 特性
新潟市 | 約76万人 | 政令指定都市・8区・日本海側最大
長岡市 | 約26万人 | 石油・機械工業・花火・中越の中核
上越市 | 約18万人 | 北陸入口・高田城・北陸新幹線開通
燕市 | 約8万人 | 洋食器・金属磨き・世界的産地
三条市 | 約9.5万人 | 刃物・金物・鍛冶職人
柏崎市 | 約8万人 | 柏崎刈羽原発・石油・海水浴
南魚沼市 | 約5.5万人 | 魚沼産コシヒカリ・六日町・スキー
村上市 | 約6万人 | 岩船産コシヒカリ・海産物・温泉
佐渡市 | 約5万人 | 離島・佐渡金山・農業・漁業
妙高市 | 約3万人 | スキーリゾート・温泉
①農業従事者(越後平野・魚沼・岩船・佐渡)
新潟はコシヒカリの一大産地だ。越後平野全体でコメ農業が営まれ、魚沼産・岩船産・佐渡産はブランド米として全国に知られる。田植え(5〜6月)・稲刈り(9〜10月)の繁忙期は腰痛が急増する。農業従事者の高齢化が進んでいるため、慢性疾患の患者層は今後も安定して存在する。
②燕三条の金属加工職人(燕市・三条市・加茂市)
燕市は洋食器(スプーン・フォーク・ナイフ)の世界的産地でG7サミットでも採用された実績を持つ。三条市は刃物・金物(包丁・ペンチ・スパナ)の産地だ。鍛造・研磨・磨き作業を繰り返す職人は肩・腰・手首の慢性障害を抱える。「我慢強い職人文化」が院への来院を阻んでいるが、一度信頼を得ると長期患者になりやすい。
③漁業従事者(日本海沿岸・村上・柏崎・佐渡)
日本海でのカニ(松葉ガニ・ズワイガニ)・サケ・ブリ・タラ漁は冬季に集中する。船上での不安定な姿勢・網の引き揚げ・重量物運搬による腰痛・肩痛は慢性的だ。漁業従事者は佐渡・村上・糸魚川などに集中している。
④スキーリゾート従事者(湯沢・苗場・妙高・上越)
湯沢町(苗場・GALA・NASPAなど多数のスキー場)・妙高市・上越市には冬季(12〜3月)に大量の観光客が訪れ、リフト係・インストラクター・ホテル従業員が集中稼働する。立ち仕事・重い装備の搬送による腰痛・足底疲労需要が冬季に集中する。
指標 | 数値
施術所数(R4確定値) | 551院
推計年間市場規模 | 約661〜793億円
人口217万人(全国15位)に対して施術所551院は全国でも最小クラスの密度。市場そのものは規模があるが、整骨院の絶対数が少ないため需要の取りこぼしが大きい県だ。
📌 第1章の急所
新潟の農業従事者は「農繁期は絶対に来院できない・農閑期はまとめて来る」という明確なパターンを持つ。稲刈り終了(10月末)直後の11月がピークの来院タイミングだ。この「11月の集中来院」を見越してLINE・チラシを10月末に仕込んでいる院が安定した集客を続けている。
指標 | 新潟県 | 全国平均
施術所数(R4確定値) | 551院 | 50,919院
競合密度 | 約25.4院/10万人 | 約40.7院/10万人
人口 | 約217万人(全国15位) | —
このシリーズで最低水準の競合密度だ。全国平均の62%という数字は「整骨院が4割少ない」ことを意味する。
エリア | 推計競合密度 | 特性
新潟市中心部(中央区・東区) | 35〜45院/10万人 | 政令市中枢・全国平均前後
新潟市住宅地(西区・江南区・秋葉区) | 25〜35院/10万人 | 住宅密集・中程度
長岡市中心部 | 25〜35院/10万人 | 中越中核・中程度
上越市 | 20〜30院/10万人 | 北陸入口・低〜中競合
燕市・三条市(燕三条エリア) | 20〜30院/10万人 | 工業・職人・低〜中競合
柏崎市・長岡市周辺 | 15〜25院/10万人 | 石油・工業・低競合
魚沼市・南魚沼市 | 10〜20院/10万人 | 農業・スキー・低競合
村上市・糸魚川市 | 10〜20院/10万人 | 農業・漁業・低競合
十日町市・津南町 | 10〜15院/10万人 | 豪雪・農業・最低競合
佐渡市 | 5〜15院/10万人 | 離島・最低競合
新潟市中央区でさえ全国平均前後。それ以外のエリアはほぼ全て全国平均を大幅に下回る。
📌 第2章の急所
十日町市・津南町は日本有数の豪雪地帯(積雪量が世界記録に近いエリア)で、競合密度10〜15院/10万人という全国でも最低水準だ。人口減少が進んでいるが、雪かき腰痛という強烈な季節需要がある。このエリアで「雪かき腰痛専門」として訴求した院は事実上の地域独占になれる。
新潟市(人口約76万人)は政令指定都市8区で構成される。日本海側最大の政令市だが、東京(上越新幹線で約2時間)と大阪・名古屋からの地理的距離が「専門医療は東京で」という行動を生みやすい。
区 | 人口(万人)| 特徴 | 需要の特性
中央区 | 約18 | 新潟駅・商業・行政・大学 | 最も競合が多い。差別化が必要
東区 | 約13 | 住宅・工業(東区工業団地) | 製造業需要あり・中競合
西区 | 約15 | 大型商業施設・住宅地 | 住宅層向け・中競合
江南区 | 約7 | 農業地帯(越後平野南部) | 農業腰痛・低競合
秋葉区 | 約8 | 旧新津市・農業・石油 | 農業×石油工業・低競合
南区 | 約4.5 | 農業(越後平野)・越後丘陵 | 農業腰痛・低競合
北区 | 約8 | 農業・北部海岸 | 農業腰痛・漁業・低競合
西蒲区 | 約5 | 農業・岩室温泉 | 農業腰痛・温泉観光・低競合
新潟市内でも江南区・南区・北区などの農村部エリアは低競合で農業腰痛需要がある。「新潟市内=激戦」という思い込みを捨てることが戦略設計の第一歩だ。
中越地方の中核都市。長岡花火(全国三大花火)で有名。石油(長岡油田)・機械・食品製造業が基盤だ。
市街地:競合密度が中程度。「長岡市で一番口コミが多い院」という目標は現実的に達成できる
農村部(旧越路町・旧小千谷市境):農業腰痛需要があり競合が薄い
柏崎寄りの工業エリア:石油・化学の製造業需要
📌 第3章の急所
新潟市の競合密度は中央区でも全国平均前後にとどまる。つまり口コミ100〜150件・評点4.6以上を達成すれば「新潟市内トップ」に届く可能性がある。これだけの目標設定で広告費ゼロの集客が安定する。東京や大阪と比べてMEO整備のコストパフォーマンスが圧倒的に高い。
新潟県の多くのエリアが「豪雪地帯対策特別措置法」の豪雪地帯に指定されている。特に山間部(魚沼・南魚沼・十日町・津南・上越・糸魚川)は日本有数の積雪量を誇る。
地域 | 平均積雪量(最大期) | 特性
十日町市・津南町 | 2〜3m | 日本有数の豪雪。世界記録クラス
南魚沼市・魚沼市 | 1.5〜2.5m | コシヒカリ産地×豪雪
妙高市・上越市山間部 | 1〜2m | スキーリゾート×豪雪
新潟市(平野部) | 0.3〜0.8m | 沿岸部の積雪
雪かきは毎日・毎朝必要になる作業だ。重い雪を繰り返しシャベルですくい上げる動作は「腰の屈曲×回旋×重量」が同時にかかる最も腰椎に負担のかかる動作の一つだ。
ピーク期:1月〜2月(集中豪雪期)
来院タイミング:「雪かきで急性腰痛になった」「一回限りの来院」が多い
継続来院への転換:急性期で来院した患者を継続ケアに誘導できるかが鍵
予防訴求:「雪かき前のウォーミングアップ」「雪かき後のアイシング&ストレッチ」という情報提供が来院動機を作る
①「雪かき腰痛」特化のGoogleビジネス投稿(12月〜)
シーズン前の12月から「雪かき腰痛は急増します。早めのケアを」という投稿を始める。1月の豪雪後に「急性腰痛が出たらすぐご連絡ください」という緊急性の高い投稿を追加する。
②LINE公式での雪かきシーズン前配信
11月末〜12月頭に「今年も雪のシーズンがやってきます。雪かき前後の腰ケアを覚えておきましょう」という配信をする。既存患者に「今年も雪かき腰痛にならないよう、事前のメンテをしませんか?」と個別に送る。
③「雪かき腰痛・当日対応OK」の打ち出し
急性期の腰痛患者は「今日すぐ診てもらえるか」が最大の関心事だ。Googleビジネスプロフィールに「急性腰痛・当日予約OK」「雪かき後の腰痛はすぐご来院ください」という訴求を入れるだけで検索後の来院率が変わる。
📌 第4章の急所
雪かき腰痛の患者は「痛みが引いたらもう来ない」という単発来院になりやすい。この層を継続患者に転換するには「急性期が落ち着いたら、腰の歪みを根本から整えるケアが必要です」という施術中の会話と、月1回のメンテコースへの誘導が必須だ。雪かき腰痛を「入口」として使い、年間継続患者にする設計が新潟の繁盛院の共通点だ。
産地 | ブランド | 主要産地市町村 | 農家数(推計)
魚沼産コシヒカリ | 全国最高ブランド米 | 南魚沼市・魚沼市・六日町 | 数千戸
岩船産コシヒカリ | 高品質ブランド米 | 村上市・関川村 | 数千戸
佐渡産コシヒカリ | 朱鷺と暮らす里 | 佐渡市全域 | 数千戸
越後平野一般 | 新潟米 | 新潟市・長岡市・三条市周辺 | 数万戸
田植え(5〜6月)・稲刈り(9〜10月)の繁忙期は腰痛が急増する。農機のオペレーションでも長時間の振動・前傾姿勢が続く。
①農閑期(11〜4月)に向けた集中集客
稲刈り終了(10月末)後の11月が最大の来院タイミングだ。「今年の農繁期お疲れ様でした。冬の間に腰をリセットしませんか?」というLINE・チラシを10月末に仕込む。
②JA新潟との連携
JAの地域集会・農業研修に「農業腰痛予防セミナー」として参加する。特に高齢農家の多い地域では「コミュニティの顔」になることが来院の最大の障壁を下げる。
③農繁期は「予防ケア月1回コース」で来院習慣を維持
農繁期でも月1回の30分コースを設けることで来院を途切れさせない。「忙しい農家でも月1回だけ来れるコース」が離脱防止の鍵になる。
📌 第5章の急所
魚沼・南魚沼は「コシヒカリ農家×スキー場従事者×豪雪」という三重の需要が重なる全国でもユニークなエリアだ。農家は農閑期(11〜5月)にスキー場でアルバイトするケースも多く、一年を通して体を酷使している。「農業と冬季アルバイト両方の体を診る院」というポジションは強力だ。
燕市・三条市は「ものづくりの町」として世界に知られる。
産地 | 主要製品 | 職人の作業 | 主な障害
燕市 | 洋食器・金属食器・研磨品 | 磨き(ポーリッシュ)・プレス | 肩こり・手首・肘の慢性障害
三条市 | 刃物・金物(包丁・鋸・ペンチ)| 鍛造・研削・焼き入れ | 腰痛・肩こり・手首障害
加茂市・田上町 | 木工・家具 | 切削・研磨・運搬 | 腰痛・肩こり
燕市の洋食器は2023年のG7広島サミットで採用され、世界的な注目を集めた。数百年の伝統を持つこの産業を支える職人が慢性的な体の痛みを抱えている。
職人文化の特性:「仕事が先・体は後」という考えが染み付いている。一般的な集客手法では動かない層だ。
①「職人の体を診る院」というポジションを作る
HPのキャッチコピー・Googleビジネスの説明文に「燕三条の職人さんの肩・手首・腰に特化した施術」という訴求を入れる。「自分のための院だ」と認識した職人は長期患者になりやすい。
②工業組合・商工会への法人アプローチ
燕市工業会・三条市商工会議所に「従業員の肩・腰痛予防プログラム」を提案する。工場の休憩時間(12〜13時)や就業後(17〜18時)の施術枠を設けることで製造業従事者に合わせた院設計ができる。
③「ものづくりの街に根付いた院」のストーリー化
InstagramやGoogleの投稿で「燕三条の職人の体を支える整骨院」というストーリーを打ち出す。地域の誇りに共鳴したコンテンツは地元の口コミが広がりやすい。
📌 第6章の急所
燕三条の職人は「手首・肘の慢性障害」が肩・腰より多い傾向がある。磨き作業(ポーリッシュ)の繰り返し動作による手根管症候群・肘の腱炎は整骨院が対応できる領域だ。「手首専門の施術」を打ち出している院が燕三条にはほとんどない——ここが穴だ。
新潟県は全国最多のスキー場数を誇る。主要エリアと規模感は以下の通り。
エリア | 主要スキー場 | シーズン入場者(推計)
湯沢・塩沢 | 苗場・GALA・NASPAほか多数 | 数十万人
妙高 | 赤倉・池の平・杉ノ原 | 数十万人
上越 | 金谷山・高田城など | 数万人
魚沼 | 奥只見・六日町など | 数万人
スキーシーズン(12〜3月)に集中稼働するリフト係・インストラクター・ホテルスタッフは以下の身体負担を抱える。
リフト係:長時間の屋外立ち仕事・寒冷環境による筋肉硬直・腰痛
インストラクター:スキー指導中の膝・腰への負担・転倒リスク
ホテル・旅館スタッフ:布団の上げ下ろし・荷物搬送・立ち仕事
加えて、スキー客の「ゲレンデで転んで腰や膝を痛めた」という急性外傷も需要源になる。
①湯沢・妙高のホテル・旅館への法人営業
シーズン前(11月)にスキー場周辺のホテル・旅館の支配人に「従業員の腰痛予防プログラム」を提案する。シーズンを通じて10〜20名の固定患者が確保できれば月次収益が安定する。
②ゲレンデ近くのMEO整備
「湯沢町 腰痛」「妙高 整骨院」などのキーワードで上位に出ることで、転倒・急性腰痛のスキー客の緊急来院を獲得できる。シーズン中は「当日・当日予約OK」の訴求を前面に出す。
📌 第7章の急所
湯沢町は人口約7,000人の小さな町だが、スキーシーズンには数十万人の観光客が来る特殊市場だ。シーズン中(12〜3月)に集中して稼ぎ、閑散期(5〜11月)は農業需要とオフシーズン観光(ハイキング・温泉)でカバーする「季節二毛作」設計が湯沢エリアの現実的な経営モデルになる。
新潟市中央区でも口コミ100件・評点4.6で上位が取れる可能性がある。農村・漁業・山間エリアは口コミ20〜50件で地域1位になれるエリアが多い。全都道府県の中でMEO整備のコストパフォーマンスが最も高い県の一つだ。
新潟は「季節ごとに需要が変わる」市場だ。
月 | 配信テーマ
10月末 | 「稲刈りお疲れ様でした。腰のメンテはいつにしますか?」(農家向け)
12月 | 「雪かきシーズン到来。腰を痛める前にご来院を」
1〜2月 | 「急性腰痛は当日OK。雪かき後すぐご連絡ください」
3月 | 「スキーシーズン終了。膝・腰のアフターケアはお済みですか?」
5〜6月 | 「田植えシーズン前に腰のメンテを」
この季節配信を設計している院は新潟で最も低コストで集客が回っている。
魚沼・南魚沼・十日町・津南の農村・豪雪エリアでは、チラシのポスティングがまだ有効だ。「コシヒカリ農家の腰痛を診る院」「雪かき腰痛・当日OK」という職業・季節特化のキャッチコピーが反応率を高める。農閑期突入直前(10月末)と雪かきシーズン前(11月末)の二回投下が効果的だ。
JAにいがた・新潟県漁業協同組合連合会・燕市工業会・三条市商工会議所などとの連携で、低コストで産業従事者への直接接触が可能だ。腰痛予防セミナーの講師参加が最初の入り口になる。
📌 第8章の急所
新潟の集客優先順位は①MEO整備→②季節カレンダー連動のLINE配信→③農業・漁業・工業の産業特化チラシ→④産業組合連携 の順だ。「雪かき腰痛」「農業腰痛」「職人の肩・手首」という季節×職業の掛け算のキャッチコピーは新潟でしか使えない差別化だ。
ターゲット:新潟市西区・江南区・北区の30〜50代住民(農業×住宅混在層)
武器:MEO口コミ集積×紹介カード×季節配信LINE×担当制
月商目標:180〜230万円
注意点:新潟市でも農業地帯に近いエリア(南区・江南区)は競合が薄い。「住宅地+農業層」の複合需要を取れるポジションが強い
ターゲット:燕市・三条市の金属加工・鍛造職人・工場従業員
武器:「職人の肩・手首・腰」特化訴求×工業組合連携×昼間枠(12〜13時)設定
月商目標:140〜180万円
注意点:職人文化の「我慢する」壁を突破するには「職人専門」のポジションと、地域の信頼関係が必要。短期では成果が出にくいが長期で強い
ターゲット:南魚沼市・魚沼市のコシヒカリ農家(40〜60代)+スキーリゾート従事者
武器:農閑期(11〜3月)は農業腰痛、冬季は雪かき腰痛+スキー従事者腰痛で通年カバー
月商目標:100〜140万円
注意点:農業とスキーシーズンが重なる12〜3月は両方の需要が重なりピークになる。この時期の診療枠をフル活用する設計が必要
ターゲット:湯沢町のスキーリゾート従業員+転倒・急性腰痛の観光客
武器:当日予約OK×「雪かき腰痛・ゲレンデ転倒すぐ来院」MEO×ホテル法人契約
月商目標:シーズン中(12〜3月)に集中して150〜200万円、閑散期は温泉観光×農業需要でカバー
注意点:シーズン偏重は経営リスク。温泉・ハイキング観光の閑散期需要(5〜10月)を取り込む設計が必要
ターゲット:佐渡市の農業従事者・漁業従事者・高齢住民
武器:地域唯一院としてのMEO独占×佐渡金山世界遺産化の観光需要取り込み
月商目標:90〜120万円(低コスト運営×独占市場)
注意点:採用が最大の課題。佐渡市出身者または移住制度(佐渡市は移住支援が充実)を活用した採用が前提。競合がいない島での開業は長期で安定しやすい
📌 第9章の急所
パターン⑤(佐渡)は競合ゼロに近い環境だが、「患者数の上限が低い」という課題がある。佐渡市の人口は約5万人・高齢化率45%超という状況での経営は「少ない患者×高いリピート率」で成立させる設計が必要だ。佐渡金山の世界遺産登録が実現すれば観光業従事者需要が追加される可能性がある。
新潟の整骨院市場を一言で表すなら、「全国で最も競合が少ない市場の一つだが、患者を動かす仕掛けが最も必要な市場でもある」だ。
競合密度25院という数字の意味は「戦いが楽」ではなく、「院に来る習慣がない層をどう動かすか」という問いだ。雪かき腰痛・農業腰痛・職人の慢性障害——これらは全て「我慢して放置している」患者予備軍だ。
新潟で勝つための3原則
① 季節カレンダーを集客の設計図にする
雪かき(12〜2月)・田植え(5〜6月)・稲刈り(9〜10月)・農閑期(11〜4月)。この波に合わせて集客投下のタイミングを決める院が最も低コストで患者を集める。
② 「雪かき腰痛」「農業腰痛」「職人の手首」——職業×季節の掛け算で訴求する
「整骨院」という汎用的な訴求ではなく、新潟の産業に寄り添ったキャッチコピーが「自分のための院だ」という認識を患者に持たせる。これが「我慢文化」を持つ層が初めて来院する最大のきっかけになる。
③ MEOを今すぐ整備する
新潟は全国でMEO整備のコストパフォーマンスが最も高い県の一つだ。口コミ50〜100件で市内トップに届く市場はそう多くない。この機会を今のうちに取りに行く院が、5年後に「新潟の顔」になっている。
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著者プロフィール:宮澤 駿
ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部 本部長
大学卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。入社後は12年間、整骨院を中心に治療院業界のコンサルティングに特化し、成功事例企業を多数輩出。業界のM&Aにも携わりながら、部長として社内マネジメントも経験。「お客様の純粋な成長」を実現掲げるピュアグロースの理念に共感しヘルスケア事業本部を2026年4月に立ち上げ。パーソナルパーパスは「業界・企業・人の可能性を信じ、伴走し、未来を共に創る」。
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本レポートはR4衛生行政報告例(厚生労働省)確定データ・各種公開統計および業界調査をもとに執筆しています。