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【47都道府県 整骨院マーケットレポート⑯】佐賀県の整骨院市場分析/競合密度37院・人口81万——福岡の隣で戦う佐賀の整骨院市場を読む

2026.06.15|整骨院マーケットレポート

シリーズについて
このレポートは「47都道府県 整骨院マーケットレポート」シリーズの第16回。ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部が、都道府県ごとの整骨院市場を人口構造・競合密度・エリア特性・勝ちパターンの4軸で徹底分析します。経営判断・出店戦略・差別化設計の実務に直接使えるデータをまとめました。


はじめに:佐賀の最大の競合は「隣の福岡市」だ

佐賀の競合密度は約36.7院/10万人。全国平均(40.7院)をやや下回る。人口は約81万人と全国でも最小クラス。

「小さい市場で競合も少ない。戦いやすいはずだ」——そう思った院長が佐賀で苦しんでいる。

理由は一つだ。福岡市が隣にある

佐賀市から博多まで特急で約40分。鳥栖市から福岡市内まで車で約30〜40分。この地理的近さが「消費・医療・娯楽の福岡流出」を生んでいる。「大きな病院に行くなら福岡で」「専門的な治療なら福岡の院で」——この選択肢が、佐賀の患者の頭の中に常に存在する。

佐賀の整骨院が戦う相手は、隣の院ではなく、福岡市内の整骨院だ。

しかしここに逆転の発想がある。福岡の大型院が絶対に取れない需要が、佐賀にはある。

有明海のノリ漁師。全国生産量の約40%を占める有明海のノリ産業従事者は、冬の早朝から夜まで海上で重労働を続ける。腰痛・肩痛の慢性患者予備軍だが、「わざわざ福岡まで行って治療する」という発想は持っていない。佐賀ローカルの院が丁寧にアプローチすれば独占できる層だ。

玄界灘の漁業従事者(唐津・呼子)。カキ・サバ・ブリ・イカの漁業従事者も同様に地元院を求めている。

鳥栖の製造業従事者。九州の交通要衝に集積した工業団地(BMW・IBM・サントリー)の従業員は腰痛・疲労の患者予備軍だが、整骨院がまだ本気でアプローチしていない。

「福岡に行く患者は福岡に任せる。佐賀でしか取れない需要を取りきる」——これが佐賀の整骨院経営の核心だ。


第1章:佐賀県の人口構造と市場規模

1-1. 基本人口データ

 指標 | 数値 | 備考 
 総人口 | 約81万人 | 全国45位(全国最小クラス)
 高齢者人口(65歳以上) | 約24万人 | 高齢化率約30% 
 生産年齢人口(15〜64歳) | 約46万人 | 構成比約57% 
 年少人口(0〜14歳) | 約11万人 | 構成比約14% 

高齢化率30%は全国平均(29.1%)をやや上回る。ただし鳥栖市・神埼市などの福岡通勤圏は若い世帯が流入しており高齢化率が低い。有明海沿岸部(白石町・太良町・鹿島市)や山間部(多久市・嬉野市北部)は高齢化が進行している。

主要都市別人口:

 市町村 | 人口 | 特性 
 佐賀市 | 約23万人 | 県庁・商業・農業(佐賀平野)・バルーン 
 唐津市 | 約12万人 | 玄界灘・観光・水産業(呼子イカ)・製造業 
 鳥栖市 | 約7.5万人 | 九州交通要衝・工業団地・サガン鳥栖 
 伊万里市 | 約5万人 | 伊万里焼・港湾・製造業 
 武雄市 | 約5万人 | 温泉・武雄図書館・中継点
 小城市 | 約4万人 | 農業・羊羹・佐賀市隣接 
 神埼市 | 約3万人 | 農業・福岡通勤圏 
 嬉野市 | 約2.5万人 | 嬉野温泉・うれしの茶 
 鹿島市 | 約2.8万人 | 有明海・祐徳稲荷・ノリ漁 
 白石町 | 約2万人 | 有明海・ノリ・タイ・クルマエビ 

1-2. 生産年齢人口の需要構造

①有明海の漁業・農業従事者(佐賀市南部・鹿島市・白石町・太良町)
有明海沿岸は全国最大のノリ産地だ。ノリ漁(11〜3月)は早朝から深夜まで船上での過酷な作業が続く。腰痛・肩痛の慢性障害は漁師の職業病だ。加えて有明海岸のタイ・クルマエビ養殖業者も腰痛需要を持つ。農業(コメ・たまねぎ・れんこん・イチゴ)の従事者も佐賀平野全体に分布している。

②玄界灘の漁業・観光業従事者(唐津市・玄海町・伊万里市)
唐津・呼子はイカ・カキ・サバ・ブリの漁業基地だ。呼子のアオリイカは全国的に名の通るブランド。漁業従事者に加え、唐津城・虹の松原・呼子朝市などの観光施設で働く人々の腰痛・足底疲労需要がある。

③鳥栖の製造業従事者(鳥栖市・基山町・みやき町)
鳥栖市は九州縦貫自動車道と長崎自動車道が分岐する九州最大の交通結節点だ。BMW・IBM・サントリー九州工場・グリコ・キューピーなど有名企業の工場・物流施設が集積する。関連サプライヤーを含めると周辺に製造業従事者が多数居住する。

④福岡通勤の生産年齢人口(鳥栖市・神埼市・基山町)
鳥栖市・神埼市・基山町は福岡市のベッドタウンとして機能しており、30〜40代の現役世代が多い。デスクワーク由来の肩こり・腰痛需要が厚い。「帰宅後に通える地元の整骨院」を必要としている層だ。

1-3. 市場規模推計

 指標 | 数値 
 施術所数(R4確定値) | 297院 
 推計年間市場規模 | 約356〜428億円 

全国でも最小規模の市場の一つ。だからこそ「エリアの一番手」を取った院は長期で安定する。


📌 第1章の急所
有明海のノリ漁師の需要は「漁期(11〜3月)」に集中して悪化し、「漁が終わった4月以降」に来院するパターンが多い。この季節性を知っている院は4〜5月に向けて先にLINE・チラシで集客を仕込んでいる。「ノリ漁が終わったら腰をみてもらいに行こう」という患者の行動パターンに合わせた設計が佐賀沿岸部の整骨院経営の核心だ。


第2章:施術所数・競合密度の実態

2-1. 佐賀県の競合密度

 指標 | 佐賀県 | 全国平均 
 施術所数(R4確定値) | 297院 | 50,919院 
 競合密度 | 約36.7院/10万人 | 約40.7院/10万人 
 人口 | 約81万人(全国45位) | — 

全国平均をやや下回るが、県全体では「中程度の競合環境」に見える。実態は佐賀市・鳥栖市の都市部に集中しており、農村・漁業エリアは低競合だ。

2-2. エリア別競合密度(推計)

 エリア | 推計競合密度 | 特性 
 佐賀市中心部 | 40〜50院/10万人 | 県庁所在地・全国平均超 
 佐賀市周辺・小城市 | 30〜40院/10万人 | 住宅地・中程度 
 鳥栖市・基山町・みやき町 | 35〜45院/10万人 | 工業団地・福岡通勤圏 
 唐津市中心部 | 25〜35院/10万人 | 観光・漁業・中程度 
 伊万里市・武雄市 | 20〜30院/10万人 | 製造業・温泉・低〜中 
 神埼市・吉野ヶ里町 | 20〜30院/10万人 | 農業・福岡通勤・低〜中 
 鹿島市・嬉野市 | 15〜25院/10万人 | 温泉・漁業・低競合 
 白石町・太良町・有明海沿岸 | 10〜20院/10万人 | ノリ漁業・過疎・低競合
 唐津市郊外・玄海町 | 10〜20院/10万人 | 漁業・原発立地・低競合 


📌 第2章の急所
白石町・太良町の有明海沿岸エリアは競合密度10〜20院/10万人という全国でも最低水準の低競合地帯だ。ノリ漁師・タイ養殖業者という固有需要があるにもかかわらず整骨院が少ない。このエリアで週1〜2回の巡回施術(訪問型)を展開した院は地域を独占できる。


第3章:佐賀市・鳥栖市の市場地図

3-1. 佐賀市の市場特性

佐賀市(人口約23万人)は県の行政・商業の中心だが、福岡市との近さが「患者の流出圧力」を生んでいる。

  • 中心市街地(佐賀駅周辺):競合密度が相対的に高く、差別化なしの参入は厳しい

  • 佐賀市南部(川副・東与賀):有明海沿岸の農業・漁業地帯。競合が薄く農業・漁業需要がある

  • 佐賀市北部(富士・三瀬):山間部。過疎化進行・高齢者需要

佐賀市での戦略:中心部で戦うより「南部の農業・漁業エリアへの特化」か「北部の訪問施術」の方が参入コストが低い。

3-2. 鳥栖市の市場特性

鳥栖市(人口約7.5万人)は九州縦貫道と長崎道が交差する交通の要衝で、九州最大のアウトレットモール(プレミアム・アウトレット鳥栖)も立地する。

  • 工業団地エリア:BMW Japan・IBM九州・サントリー・グリコ・キューピーなどの工場・物流施設が集積。製造業・物流業従事者の腰痛需要が厚い

  • 住宅地エリア:福岡市への通勤者が多い30〜40代ファミリー層。産後骨盤・スポーツ障害の需要

  • 鳥栖スタジアム周辺:サガン鳥栖のホームスタジアム。スポーツ人口が多く、アマチュアスポーツ障害の需要がある


📌 第3章の急所
鳥栖市で最も見落とされている需要は「物流・ドライバーの腰痛」だ。鳥栖ICを中心とした物流センターには大型トラック・フォークリフト操作の従業員が多数居住している。長時間運転・振動による腰痛は深刻だが、整骨院が本気で法人営業している事例はほとんどない。


第4章:有明海の漁業・農業需要——ノリ×コメ×れんこん

4-1. 有明海ノリ産業の規模

有明海は全国最大のノリ産地だ。

 指標 | 数値 
 全国のノリ生産量に占める有明海産の割合 | 約40% 
 佐賀県内の主要産地 | 白石町・鹿島市・太良町・佐賀市川副町・東与賀町 
 ノリ漁のシーズン | 11月〜3月(冬季集中)

ノリ漁は早朝から深夜まで続く重労働だ。船上での前傾姿勢・網の引き揚げ・ノリ干し作業は腰・肩・膝に深刻な負荷をかける。

  • 漁期(11〜3月):忙しすぎて院に来られない

  • 漁が終わった4〜5月:一気に腰痛・疲労が噴出して来院するタイミング

  • 夏(6〜9月):農業兼業者は農作業で腰に負荷が続く

4-2. 佐賀平野の農業需要

佐賀平野は九州有数の農業地帯だ。

 農産品 | 主産地 | 農業従事者の傷害 
 コメ(さがびより)| 佐賀平野全域 | 腰痛・膝痛(田植え・稲刈り)
 イチゴ(いちごさん)| 佐賀市・小城市 | 腰痛・膝痛(ハウス低姿勢)
 たまねぎ | 白石町・太良町 | 腰痛・肩こり 
 れんこん | 佐賀市・白石町 | 腰痛(泥中での採掘作業)
 うれしの茶 | 嬉野市 | 腰痛・膝痛(摘み取り)

れんこんの収穫作業は「泥の中に入って掘り出す」という特殊な重労働で、腰への負荷が極めて大きい。れんこん農家の腰痛に特化した訴求は佐賀固有のキャッチコピーになる。

4-3. 農業・漁業需要を取るための打ち手

①漁期終了直後の集中集客(4〜5月)
3月末のノリ漁終了に合わせて、4月頭に「今シーズンのノリ漁お疲れ様でした。腰のメンテはいつにしますか?」とLINE・チラシで配信する。漁師は「漁が終わったら治しに行こう」と思っているため、タイミングに合わせた配信が直接来院動機になる。

②農業カレンダーとの連動
稲刈り終了(10月末)・イチゴ定植終了(10〜11月)・れんこん収穫ピーク後(12〜1月)に集中してLINEを送る。農家は「繁忙期が終わったら」という心理を持っているため、終了直後のタイミングが最も反応率が高い。

③漁協・農協でのセミナー参加
JA佐賀・佐賀県漁業協同組合連合会の集会に「腰痛予防セミナー」として参加する。1回の参加で20〜30名の産業従事者に直接会える。「顔を知っている先生」になることが来院の最大の障壁を取り除く。


📌 第4章の急所
れんこん農家の腰痛は「泥の中での作業」という特殊性から、一般的な腰痛施術より回復に時間がかかる傾向がある。「れんこん農家専門の施術プログラム」を作り、農協に掲示してもらうだけでこの層の患者を独占できる。全国でもほとんど前例がないアプローチだ。


第5章:玄界灘・唐津の需要——漁業×観光×製造業

5-1. 唐津市の産業構造

唐津市(人口約12万人)は佐賀県第2の都市で、玄界灘に面した観光・漁業都市だ。

 産業 | 主要コンテンツ | 需要の特性 
 水産業 | 呼子のイカ・カキ・サバ・ブリ | 漁業腰痛・早朝帰港後需要 
 観光業 | 唐津くんち・唐津城・虹の松原 | 旅館・観光施設の立ち仕事腰痛 
 製造業 | 伊万里港工業地帯・セラミック | 製造業腰痛 

5-2. 呼子の漁業従事者需要

呼子(唐津市呼子町)はアオリイカで全国的に知られる漁港だ。イカ・カキ養殖・定置網漁の従事者は船上での重労働により腰痛・肩の慢性障害を抱える。

漁業従事者の特性:

  • 当日対応が必須(出港スケジュールが不規則)

  • **早朝帰港後(6〜9時)**に院に来られる枠があると来院しやすい

  • 口コミが漁師コミュニティで速く広がる

5-3. 観光業従事者(嬉野温泉・武雄温泉)

嬉野市(嬉野温泉)・武雄市(武雄温泉)は佐賀の温泉観光地として知られる。旅館・ホテル従業員の腰痛・足底疲労需要は安定している。観光業は「季節波動が大きい」ため、閑散期(1〜3月・6月)の来院が集中しやすい。


📌 第5章の急所
嬉野温泉・武雄温泉の旅館は「従業員の腰痛・膝痛」に悩んでいる経営者が多い。旅館組合や観光協会に「旅館従業員向け腰痛予防プログラム」を提案するアプローチは、佐賀の温泉地帯では前例がほとんどない。先行した院が法人契約を複数取れれば安定した固定収益になる。


第6章:福岡流出問題——患者を地元に留める戦略

6-1. 「福岡に行く」という選択肢が常に存在する

佐賀の患者は「重要な消費は福岡で」という行動パターンを持ちやすい。

  • 佐賀市から博多まで:特急で約40分

  • 鳥栖市から福岡市内まで:車で約30〜40分

  • 唐津市から博多まで:高速バスで約1時間

この距離感が「専門的な治療・評判の高い院があるなら福岡で受けよう」という判断を生む。

6-2. 福岡流出を防ぐ3つのアプローチ

①「地元で福岡クオリティ」のMEO・SNS設計
「佐賀で一番口コミが多い整骨院」「佐賀で評点4.8の産後骨盤専門院」という客観的な根拠を作ることで、「わざわざ福岡に行かなくてもいい」と思わせる。Googleの口コミ数・評点は「福岡まで行く必要があるか」の判断材料になる。

②「地元の専門院」というポジショニング
スポーツ障害・産後骨盤・農業腰痛など「この分野なら佐賀のここ一択」というポジションを1つ作る。広く薄く何でも対応する院は「福岡の有名院に行く」という比較に負けやすい。絞り込みが「地元で選ばれる理由」を作る。

③継続来院の仕組み化(LINE×コース設計)
「月1回のメンテコース」「産後9ヶ月プログラム」などの継続来院設計を持っている院は、一度患者になった人が福岡に流れにくくなる。継続的な関係性が「わざわざ遠くの院に乗り換える理由」をなくす。


📌 第6章の急所
佐賀で患者を地元に留める最強の武器は「担当制×名前で呼ぶ×施術後の一言」だ。大型チェーン院や福岡の有名院が持っていない「地元の顔が分かる先生」というポジションは、小規模な個人院の最大の強みだ。「先生に会いに行く」という感覚を作れた院が患者の流出を防げる。


第7章:佐賀で生き残る院の共通点

7-1. 漁業・農業のカレンダーを集客に組み込んでいる

佐賀の繁盛院は、ノリ漁終了(4月)・稲刈り終了(10月)・れんこん収穫ピーク後(12月)というカレンダーに合わせてLINE配信・チラシ投下を行っている。産業従事者は「忙しい季節が終わったら行こう」という心理を持つため、終了直後の1週間が最も反応率が高い。

7-2. 「地域の顔」になっている

佐賀の規模感(県全体でも中小都市程度)は、「地域の顔」になれる最後のフロンティアだ。農協・漁協・PTAのイベント参加・地域祭りへの協賛——低コストで地域認知を取る手段が多く残っている。「あの先生に行けばいい」という口コミが生まれた院は広告費ゼロで患者が継続する。

7-3. MEOで「佐賀市」より「エリア×症状」で上位を取っている

「佐賀市 整骨院」という大きいキーワードより「川副町 腰痛」「白石町 整骨院」「鳥栖市 肩こり」という小エリア×症状の掛け算で上位を取っている院が安定した初診を獲得している。競合が少ない佐賀では、このレベルの絞り込みで十分な患者数を確保できる。


📌 第7章の急所
佐賀は院の数が少ない(297院)ため、Googleマップで「佐賀県 整骨院」と検索しても上位の院が限られる。つまり「まともにMEO整備した院が絶対に上位に出る」という状態だ。他県より参入障壁が低いこの機会を使って、今すぐMEOの口コミ集積と写真更新に取り組んだ院が先行者利益を長期で享受できる。


第8章:佐賀に刺さる集客チャネルの現実

8-1. MEO(Googleマップ対策)——佐賀全域でブルーオーシャン

佐賀市中心部でさえ、口コミ50〜80件で上位1〜3位に入れるエリアがある。農村・漁業エリアは口コミ20〜30件で地域1位が取れる状態が多い。整備するだけで成果が出やすいという意味では、佐賀は全国でもMEO対費用効果が最も高い県の一つだ。

8-2. LINE公式アカウント——産業カレンダー連動配信

ノリ漁終了(4月)・稲刈り終了(10月)・農閑期(12〜3月)に合わせた配信が最も反応率が高い。「今シーズンお疲れ様でした。腰のメンテをしませんか?」という一文が来院動機になる。月1〜2回の健康情報配信でリピート率を維持する。

8-3. チラシ×ポスティング——農漁村エリアで高反応

白石町・太良町・唐津市郊外などの農漁村エリアでは、チラシのポスティングがまだ有効だ。「ノリ漁師の腰に特化した整骨院」「れんこん農家の腰痛を診る院」という職業特化のキャッチコピーが反応率を引き上げる。繁忙期終了の直後(4月・11月)が投下タイミングとして最適だ。

8-4. 農協・漁協・旅館組合との連携

JAさが・佐賀県漁業協同組合連合会・嬉野温泉観光協会などとの連携は、低コストで大量の産業従事者への接触を生む。「腰痛予防セミナーの講師」として参加することで、費用ゼロで20〜30名に会える。「顔を知っている先生」になることが来院の最大のハードルを下げる。


📌 第8章の急所
佐賀での集客優先順位は①MEO整備(エリア×症状)→②産業カレンダー連動のLINE配信→③農協・漁協連携→④職業特化チラシ の順だ。鳥栖の製造業需要を取りたい場合は法人営業を③と並行して動かす。この4つを6ヶ月で全て稼働させれば、佐賀規模の市場では地域トップに届く。


第9章:佐賀の勝ちパターン5選

パターン①【佐賀市・地域一番院型】口コミと紹介で「地域の顔」になる

  • ターゲット:佐賀市内の30〜50代住民(農業×ビジネスパーソン×主婦の混合)

  • 武器:MEO口コミ集積×紹介カード×LINE再来院設計×担当制

  • 月商目標:160〜200万円

  • 注意点:「佐賀で一番口コミが多い院」になるだけで福岡流出を防ぐ効果がある。目標は口コミ100件・評点4.6以上

パターン②【鳥栖・製造業×物流特化型】工業団地の仕事帰り需要を独占する

  • ターゲット:鳥栖工業団地・BMW・IBM・物流センターの従業員(30〜50代男性)

  • 武器:夜間診療(18〜21時)×腰痛特化LP×法人顧問プラン

  • 月商目標:150〜190万円

  • 注意点:法人営業は初期に3〜6ヶ月かかる。MEOで既存患者を先に固めながら動く

パターン③【有明海沿岸・ノリ漁師特化型】漁期終了後の患者を全取りする

  • ターゲット:白石町・太良町・佐賀市川副町のノリ漁師(40〜60代)

  • 武器:4〜5月の集中集客(LINE・チラシ)×漁協連携×「漁師の腰専門」MEO

  • 月商目標:100〜130万円(シーズン性があるが農閑期の農業需要と組み合わせで通年化)

  • 注意点:漁期中(11〜3月)は来院が激減する。この期間は農業兼業者の農閑期需要でカバーする設計が必要

パターン④【嬉野・武雄・温泉観光業特化型】旅館従業員の慢性腰痛を固定患者化する

  • ターゲット:嬉野市・武雄市の旅館・ホテル従業員(20〜40代)

  • 武器:旅館法人契約×夜間診療×足底・腰痛特化

  • 月商目標:100〜130万円

  • 注意点:個人患者だけでは薄い。旅館組合からの法人契約を2〜3件取ることが先決

パターン⑤【唐津・玄界灘漁業特化型】呼子の漁師に密着した院になる

  • ターゲット:唐津市・呼子の漁業従事者(40〜60代)

  • 武器:当日予約可×早朝枠(7〜9時)×漁協連携×「漁師の肩・腰を診る」MEO

  • 月商目標:90〜120万円

  • 注意点:唐津市は人口が多くないため患者数の上限がある。漁業×観光業の複合で需要を厚くする


📌 第9章の急所
パターン③(ノリ漁師特化)の最大のリスクは「漁期(11〜3月)の売上が激減する」ことだ。これを防ぐには農業兼業者の農閑期需要(10〜12月)とノリ漁師の農閑期需要(4〜10月)をセットで設計する。佐賀の漁師は農業も兼業するケースが多く、年間を通して何らかの身体需要を持っている。


まとめ——佐賀で整骨院を経営するということ

佐賀の整骨院市場を一言で表すなら、「福岡の隣にいることを言い訳にせず、佐賀でしか取れない需要を取りきる院が勝つ市場」だ。

人口81万・施術所297院という小規模市場は、「地域の顔」になれる最後のフロンティアだ。口コミ100件を達成するだけで「佐賀で一番口コミが多い院」になれる県が、全国にいくつあるか考えてほしい。

佐賀で勝つための3原則

① 有明海か玄界灘か鳥栖か——産業需要を一つ選んで深掘りする
ノリ漁師・農業従事者・製造業——どれか一つを「メイン患者層」として深掘りすれば、福岡には取れないポジションが生まれる。三つを同時に取りにいくと全て中途半端になる。

② 産業カレンダーを集客の設計図にする
ノリ漁終了・稲刈り終了・れんこん収穫ピーク後——これらのタイミングに合わせてLINEを送るだけで、競合より低いコストで患者を集められる。

③ MEOを「地域の顔」作りに使う
佐賀は口コミ50〜100件で県内トップが取れる数少ない県だ。今すぐ口コミ依頼の仕組みを作り、6ヶ月で地域1位を目指す。それだけで「福岡に行く理由」を一つ消せる。


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著者プロフィール

著者プロフィール:宮澤 駿
ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部 本部長

大学卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。入社後は12年間、整骨院を中心に治療院業界のコンサルティングに特化し、成功事例企業を多数輩出。業界のM&Aにも携わりながら、部長として社内マネジメントも経験。「お客様の純粋な成長」を実現掲げるピュアグロースの理念に共感しヘルスケア事業本部を2026年4月に立ち上げ。パーソナルパーパスは「業界・企業・人の可能性を信じ、伴走し、未来を共に創る」。

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本レポートはR4衛生行政報告例(厚生労働省)確定データ・各種公開統計および業界調査をもとに執筆しています。

宮澤駿

この記事の監修者

宮澤 駿ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部 本部長

株式会社船井総合研究所で12年間、整骨院・治療院業界のコンサルティングに特化し、成功事例企業を多数輩出。業界のM&Aにも携わり、部長として社内マネジメントも経験。「お客様の純粋な成長」を掲げるピュアグロースにて、2026年ヘルスケア事業本部を立ち上げ。

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