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COLUMN

【47都道府県 整骨院マーケットレポート⑮】静岡県の整骨院市場分析/競合密度29院——東西三分断・二政令市・製造業×茶業×水産業という多面体市場を読む

2026.06.14|整骨院マーケットレポート

シリーズについて
このレポートは「47都道府県 整骨院マーケットレポート」シリーズの第15回。ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部が、都道府県ごとの整骨院市場を人口構造・競合密度・エリア特性・勝ちパターンの4軸で徹底分析します。経営判断・出店戦略・差別化設計の実務に直接使えるデータをまとめました。


はじめに:「静岡」を一つの市場として見ると判断を誤る

静岡の競合密度は約29.3院/10万人。全国平均(40.7院)を3割近く下回る。

「低競合の参入しやすい市場」——そう見えるかもしれない。しかし静岡に「一つの市場」は存在しない。

静岡県は東部・中部・西部という三つの経済圏に分断されている。経済圏が違えば産業も文化も患者気質も全く異なり、それぞれで通用する戦略が変わる。

西部(浜松市)はスズキ自動車・ヤマハ発動機・ヤマハ・カワイが本社を構える「モノづくり都市」だ。製造業従事者の腰痛・振動障害という安定した需要を持つ。

中部(静岡市・焼津・島田)は静岡茶・焼津のカツオ・桜えびという農業・水産業が基盤だ。前傾姿勢の茶農家と漁業従事者の慢性腰痛は、整骨院がまだ十分に取りきれていない需要だ。

東部(沼津・富士・三島)は富士山の玄関口・伊豆観光圏であり、東京からの流入人口が多い。「東京に近い地方市場」という特性を持ち、医療・消費の一部が東京に流出しやすい構造を持つ。

この三分断を理解せずに「静岡で開業する」「静岡に分院を出す」という意思決定をすると、エリアを間違えた瞬間に計画が崩れる。


第1章:静岡県の人口構造と市場規模

1-1. 基本人口データ

 指標 | 数値 | 備考 
 総人口 | 約362万人 | 全国10位 
 高齢者人口(65歳以上) | 約107万人 | 高齢化率約29.5% 
 生産年齢人口(15〜64歳) | 約209万人 | 構成比約58% 
 年少人口(0〜14歳) | 約46万人 | 構成比約13% 

高齢化率29.5%は全国平均(29.1%)とほぼ同水準。ただし浜松市・磐田市は若い製造業従事者が人口を支えており高齢化率が低め。熱海市・伊豆半島南部は40%を超える高齢化が進む。

主要都市別人口:

 市 | 人口 | 特性 
 浜松市 | 約79万人 | 政令市・スズキ・ヤマハ発動機・ヤマハ 
 静岡市 | 約68万人 | 政令市・県庁・静岡茶・清水港 
 富士市 | 約24万人 | 製紙業・富士山・東部中核 
 沼津市 | 約18.5万人 | 水産・東部拠点・伊豆の玄関 
 磐田市 | 約17万人 | ヤマハ発動機本社・ジュビロ磐田 
 焼津市 | 約14万人 | カツオ・マグロ漁業・水産加工 
 藤枝市 | 約15万人 | 静岡茶・サッカーの街 
 掛川市 | 約12万人 | 農業・お茶・遠州 
 富士宮市 | 約12万人 | 富士山世界遺産・食品製造 
 三島市 | 約11万人 | 新幹線・水の都・東部居住 

1-2. 生産年齢人口の需要構造

①製造業従事者(浜松市・磐田市・富士市・湖西市)
浜松市にはスズキ自動車(本社工場)・ヤマハ株式会社・カワイ楽器・ローランドの本社が集中する。磐田市にはヤマハ発動機の本社・主力工場がある。富士市には製紙業(大王製紙・日本製紙)が集積する。これらの製造業従事者は腰痛・振動障害・手首の慢性疾患を抱える最強の患者予備軍だ。

②茶農家(牧之原市・島田市・掛川市・藤枝市)
静岡は全国1位の茶産地(生産量シェア約40%)。牧之原市・島田市・掛川市・藤枝市の茶農家は前傾姿勢での摘み取り・剪定作業で腰痛・膝痛・肩こりを抱える。茶の繁忙期(5月・6月・9月)に腰痛が急増する。

③水産業従事者(焼津市・沼津市・静岡市清水区)
焼津港は日本最大級の遠洋漁業基地で、カツオ・マグロの水揚げ量が全国トップクラス。沼津は駿河湾の水産基地(サバ・アジ・サクラエビ)。清水区は桜えびの全国唯一の産地。漁業従事者の腰痛・肩の慢性障害は安定した需要源だ。

④観光業・サービス業従事者(熱海・伊豆半島・富士山麓)
熱海市は近年のインバウンド・国内観光の回復で旅館・ホテル業が活況。伊豆半島南部(下田・南伊豆)・富士山五合目周辺の観光業従事者は立ち仕事由来の腰痛・足底疲労を抱える。

1-3. 市場規模推計

 指標 | 数値 
 施術所数(R4確定値) | 1,062院 
 推計年間市場規模 | 約1,274〜1,529億円 

人口規模(全国10位)に対して施術所数が少なく、競合密度29院という「供給不足気味」の市場構造だ。製造業従事者が多いにもかかわらず整骨院が少ない理由の一つは、「工場内診療所・産業医制度が充実しているため外部の整骨院に来る需要が一部内製化されている」点だ。この壁を突破する戦略が静岡経営の核心になる。


📌 第1章の急所
静岡の製造業従事者は「工場内の診療所があるから整骨院に行かなくていい」という意識を持っている層が一定数いる。この層を動かす切り口は「工場診療所では対応できない慢性腰痛・姿勢改善・パフォーマンスアップ」という付加価値の訴求だ。「治すだけでなく、仕事効率を上げる施術」という打ち出し方が製造業従事者に刺さる。


第2章:施術所数・競合密度の実態

2-1. 静岡県の競合密度

 指標 | 静岡県 | 全国平均 
 施術所数(R4確定値) | 1,062院 | 50,919院 
 競合密度 | 約29.3院/10万人 | 約40.7院/10万人 
 人口 | 約362万人(全国10位) | — 

全国平均を3割近く下回る。東海圏(愛知31.2院・三重・岐阜)と比べても低水準。

2-2. エリア別競合密度(推計)

 エリア | 推計競合密度 | 特性 
 浜松市中心部 | 35〜45院/10万人 | 政令市中枢・中〜高競合 
 浜松市郊外(東区・浜北区・天竜区) | 20〜30院/10万人 | 製造業・農村・低〜中競合 
 静岡市中心部(葵区・駿河区) | 35〜45院/10万人 | 政令市中枢・中〜高競合 
 静岡市清水区 | 25〜35院/10万人 | 港湾・水産・中程度 
 富士市・富士宮市(東部工業) | 25〜35院/10万人 | 製紙・食品製造・中程度 
 沼津市・三島市(東部都市) | 25〜35院/10万人 | 東部中核・中程度 
 磐田市・袋井市(西部製造) | 20〜30院/10万人 | ヤマハ発動機周辺・低〜中 
 島田市・牧之原市・掛川市(茶業) | 15〜25院/10万人 | 茶農家地帯・低競合 
 焼津市・吉田町(水産) | 20〜30院/10万人 | 漁業・低〜中競合 
 伊豆半島南部・熱海市 | 15〜25院/10万人 | 観光・高齢化・低〜中競合 


📌 第2章の急所
牧之原市・島田市・掛川市の茶業地帯は競合密度15〜25院で「整骨院が最も少ない地帯」の一つだ。茶農家の腰痛需要は確実にあるが、整骨院が本格的にアプローチしている事例はほとんどない。MEOで「掛川市 腰痛」「牧之原 整骨院」などと検索するとすぐわかる——競合がいない。


第3章:浜松市——スズキ・ヤマハの製造業都市

3-1. 浜松の産業構造

浜松市は「モノづくりのDNA」が根付く都市だ。本多宗一郎(ホンダ創業者)・川上源一(ヤマハ会長)・鈴木道雄(スズキ創業者)がすべて浜松にゆかりを持つ。

 主要企業 | 業種 | 規模 
 スズキ自動車 | 軽自動車・二輪車 | 国内従業員約1.5万人・工場が市内に集中 
 ヤマハ株式会社 | 楽器・音響 | 本社・工場が浜松市内に 
 カワイ楽器 | ピアノ・楽器 | 本社・工場が浜松市内に 
 ローランド | 電子楽器 | 本社が浜松市に 
 関連サプライヤー | 自動車部品全般 | 数十社が市内・周辺に集積 

製造業従事者の腰痛・振動障害・反復動作由来の関節疾患は安定した需要源だ。

3-2. 浜松での整骨院戦略

①浜北区・東区の工場通勤圏への出店
スズキの工場(竜洋工場・高塚工場・相良工場など)の通勤圏となる浜北区・東区・南区周辺は競合密度が低く、製造業従事者の需要が取りやすい。

②夜間診療(18〜21時)の設定
製造業の勤務終了は16〜17時帯が多い。「仕事帰りに寄れる院」の看板を掲げるだけで差別化になる。

③スズキ・ヤマハのサプライヤー企業への法人営業
本体より規模が小さい(10〜100名)サプライヤー企業の労務担当者に「従業員の腰痛予防プログラム」を提案する。1社5〜10名の固定患者を3〜5社確保できれば月次収益が安定する。


📌 第3章の急所
浜松は「製造業の出勤時間が早い・帰宅時間が早い」都市だ。18〜21時の夜間診療と、土曜午前の予約枠の確保が患者動線の核になる。「工場が休みの土曜午前」に予約を詰め込める院が浜松の製造業需要を最も取れる。


第4章:静岡市——茶業×水産×観光の中部中枢

4-1. 静岡市の市場特性

静岡市(人口約68万人)は葵区・駿河区・清水区の3区で構成される政令指定都市。

 区 | 人口(万人) | 特性 
 葵区 | 約24 | 県庁・静岡駅・行政×商業 
 駿河区 | 約21 | 住宅・大学(静岡大)・新静岡 
 清水区 | 約22 | 清水港・桜えび・製造業 

4-2. 静岡茶の産地需要

静岡市周辺・島田市・藤枝市は「静岡茶」の産地として知られる。特に牧之原台地(牧之原市・島田市・吉田町)は静岡茶の最大産地だ。

茶農家の仕事は「前傾姿勢での手摘み・剪定・スプレー散布・収穫コンテナの運搬」が中心。腰痛・膝痛・肩の慢性障害は職業病と言っていい。繁忙期(一番茶:4〜5月、二番茶:6〜7月)に腰痛が一気に悪化するため、農閑期(11〜3月)への集中来院設計が有効だ。

4-3. 焼津・清水の水産業需要

焼津市は遠洋漁業・近海漁業の一大拠点で、カツオ・マグロの水揚げ量が全国トップクラスだ。水産加工業の従事者(冷凍・缶詰・干物)も多く、繰り返し動作による手首・肩の慢性障害が多い。

静岡市清水区は桜えびの全国唯一の漁場(駿河湾)を持ち、漁師の腰痛・肩の需要がある。


📌 第4章の急所
焼津の水産加工業従事者は「立ち仕事×冷凍環境×重量物運搬」という三重の身体負荷を抱える。加工工場は早朝始業のため、「7〜9時のアーリー枠」か「昼休みの12〜13時枠」を設けた院が選ばれやすい。一般的な9時開院では届かない患者層だ。


第5章:東部(沼津・富士・三島)——東京近接エリアの戦略

5-1. 東部エリアの特性

静岡東部は東京から新幹線で約45分(三島)〜60分(静岡)という距離にある。東京の専門医・高度医療へのアクセスが容易なため、「重症は東京に行く」という行動パターンがある。

 市 | 特性 | 整骨院需要の特徴 
 沼津市 | 東部中核・駿河湾水産 | 水産業×製造業×東京通勤の複合 
 富士市 | 製紙業・富士山 | 製造業腰痛(製紙工場の重労働)
 三島市 | 新幹線・水の都・東京通勤 | デスクワーク×観光業 
 富士宮市 | 富士山世界遺産・食品製造 | 観光業×食品製造 
 熱海市 | 温泉観光・インバウンド | 観光業従事者×高齢者

5-2. 東部での差別化戦略

東部エリアで整骨院が取るべき差別化は「東京では受けられない地域密着型の継続ケア」だ。

  • 「東京に行く必要がないレベルの専門性」:スポーツ障害・産後骨盤など専門特化で東京の大病院に行かずとも解決できるポジションを作る

  • 「地元に根付いた信頼」:紹介・口コミによる「地域の先生」ポジション

  • 富士山周辺の観光業法人アプローチ:富士山五合目・富士宮の観光施設への法人営業で観光業従事者を固定患者化する

5-3. 富士市の製紙業需要

富士市は大王製紙・日本製紙などの大規模製紙工場が集積する「製紙の街」だ。製紙工場の労働は重量物運搬・ロール紙の取り扱い・機械操作による腰への慢性的な負荷が大きい。富士市内での夜間診療×製紙業法人営業は有効な組み合わせになる。


📌 第5章の急所
三島市は東京からの新幹線アクセスが良いため、「三島に住みながら東京で働く」層が増えている。このデスクワーク東京通勤者は「帰宅後に通える三島の整骨院」を必要としている。夜間診療(18〜21時)対応の院が三島で絶対的に不足している。


第6章:人口動態と患者予備軍

6-1. 静岡県の人口推移

 年 | 人口(万人) | 変動 
 2015年 | 370 | — 
 2020年 | 364 | −6万 
 2024年 | 362 | −2万 
 2030年(推計) | 348 | −14万 

年間約8千〜1万人ペースで減少中。浜松市・静岡市も緩やかな減少傾向に入っている。伊豆半島南部・天竜区などの山間部・半島部の過疎化が加速している。

6-2. エリア別の将来性

 エリア | 人口動態 | 整骨院市場の将来性 
 浜松市中心部・磐田市 | 緩やかな減少 | ○(製造業雇用が下支え)
 静岡市・藤枝市・焼津市 | 緩やかな減少 | ○(現状維持)
 沼津市・富士市・三島市 | 緩やかな減少 | ○(東京通勤需要あり)
 熱海市・伊豆市・南伊豆 | 加速度的な減少 | △(高齢化・観光特需のみ)
 牧之原市・松崎町 | 加速度的な減少 | △〜✕(過疎・農業のみ)

6-3. ブラジル人コミュニティ(浜松)

浜松市は全国でも有数のブラジル人居住者を抱える。浜松市のブラジル人は約1万5千人(2024年)で、スズキ・ヤマハ関連の製造業に従事するケースが多い。

  • ポルトガル語対応の整骨院はほぼない

  • 日本の健康保険に加入しているケースが多く、保険診療可能

  • 同コミュニティ内での口コミが速い

「ブラジル人対応(ポルトガル語の問診票・LINE翻訳)」を入れるだけで、浜松では競合のいない患者層を獲得できる。


📌 第6章の急所
浜松のブラジル人コミュニティへのアプローチは「ポルトガル語のポスター一枚」から始められる。Google翻訳とDeepLで作成した簡易ポルトガル語問診票を掲示するだけで「外国人対応OK」のシグナルになる。浜松市内でポルトガル語に対応している整骨院はほとんど存在しない。


第7章:静岡で生き残る院の共通点

7-1. 「産業カレンダー」を集客設計に組み込んでいる

静岡の繁盛院は、地域の産業カレンダーと集客タイミングを連動させている。茶農家は農閑期(11〜3月)に来院が集中する。漁業は帰港後のタイミング。製造業は残業期(年度末・大型受注期)後に疲労が蓄積する。これを読んでLINE・チラシを投下している院が安定した集客を続ける。

7-2. エリアの「一番手」ポジションを取っている

低競合市場が多い静岡では、エリアの「一番手」を早く取った院が長期で強い。MEOの口コミ数・評点で地域1位になった院は、その後の競合参入を跳ね返しやすい。口コミ50〜100件・評点4.5以上を達成した院が、農村・沿岸エリアで地域を独占している事例が多い。

7-3. 製造業の法人需要を開拓している

スズキ・ヤマハ・製紙会社の下請けサプライヤーへの法人営業を実施している院が、月次収益を安定させている。個人患者と法人患者のポートフォリオを組むことで、集客の波を平準化できる。


📌 第7章の急所
静岡の整骨院の最大の弱点は「農業・漁業従事者への接点が薄いこと」だ。この層は「痛みを我慢して働く」文化が強く、院から動線を作らないと来院しない。農協・漁協のイベントへの参加、産業特化のチラシ配布——どちらも低コストで実施できる。実施している院がほとんどいないため、始めた院が先行者利益を独占できる。


第8章:静岡に刺さる集客チャネルの現実

8-1. MEO(Googleマップ対策)——農村・沿岸・工業エリアはブルーオーシャン

静岡市・浜松市の中心部はMEO競合が多いが、牧之原市・掛川市・焼津市・磐田市郊外などは口コミ30〜60件でエリア1位を取れる状態が続いている。出店または集客範囲を少しずらすだけで戦いが一気に楽になる。

8-2. LINE公式アカウント——季節集客のエンジン

茶農家向けには農閑期直前(10月末)の「今年の茶期お疲れ様でした。腰のメンテはいつ来られますか?」という配信が来院動機を直接作る。漁業従事者には帰港後の「お体のケアに来てください」。製造業従事者には大型連休(ゴールデンウィーク・お盆・年末年始)後の「連休明けは体が固まりがちです」配信が刺さる。

8-3. チラシ×ポスティング——農業・漁業エリアで現役

牧之原市・島田市・掛川市の茶業地帯と焼津市の漁業エリアでは、チラシのポスティングがまだ有効だ。「お茶農家の腰痛に特化した整骨院」「漁師の肩・腰を診る院」という職業特化のキャッチコピーが反応率を高める。

8-4. 工業団地・製造業への法人営業

スズキ・ヤマハ・製紙会社のサプライヤー(10〜100名規模)へのDM送付または訪問営業。「従業員の腰痛予防プログラム」という切り口は刺さりやすく、1社の契約で10件前後の固定患者が生まれる。


📌 第8章の急所
静岡での集客優先順位は①MEO整備(エリア特化)→②産業カレンダーに合わせたLINE配信→③農業・漁業のチラシ・組合連携→④製造業の法人営業の順だ。④は即効性は低いが、稼働したら参入障壁が高い安定収益源になる。


第9章:静岡の勝ちパターン5選

パターン①【浜松市・製造業夜間型】スズキ城下町の仕事帰り需要を独占する

  • ターゲット:スズキ・ヤマハ・カワイのサプライヤー従業員(30〜50代男性)

  • 武器:夜間診療(18〜21時)×腰痛特化LP×法人顧問プラン×ブラジル人対応

  • 月商目標:180〜230万円

  • 注意点:法人営業は成果まで3〜6ヶ月かかる。MEOで既存患者を先に安定させながら並行して進める

パターン②【島田・牧之原・茶業地帯特化型】茶農家の腰を守る院になる

  • ターゲット:牧之原市・島田市・掛川市の茶農家(40〜60代)

  • 武器:茶期カレンダー×農閑期LINEキャンペーン×農協連携×「農家特化」チラシ

  • 月商目標:100〜140万円

  • 注意点:農繁期(4〜7月・9月)は来院が減る。農繁期中は「疲れを溜めないための月1回30分コース」で来院習慣を維持する

パターン③【焼津・水産業特化型】カツオ漁師の帰港後需要を取る

  • ターゲット:焼津市・清水区の漁業従事者・水産加工業従事者

  • 武器:当日予約可×早朝枠(7〜9時)or 昼間枠(12〜13時)×漁協連携×漁業特化MEO

  • 月商目標:120〜150万円

  • 注意点:漁業従事者は出港スケジュールが不規則。「帰港したら当日でも予約できる」という柔軟性が選ばれる理由になる

パターン④【三島・東京通勤者特化型】帰宅後の新幹線通勤者を取る

  • ターゲット:三島市・函南町の東京通勤者(30〜40代ビジネスパーソン)

  • 武器:夜間診療(19〜22時)×デスクワーク肩こり・腰痛特化×当日予約×三島駅近

  • 月商目標:200〜250万円(単価が高い層・自費移行しやすい)

  • 注意点:東京通勤者は「東京で施術を受ける」選択肢もある。「地元で完結できる専門性」を明確に打ち出す

パターン⑤【熱海・観光業特化型】インバウンド回復の波に乗る

  • ターゲット:熱海市・伊豆市のホテル・旅館従業員(20〜40代)

  • 武器:夜間診療×足底・腰痛×ホテル法人アプローチ×インバウンド対応(英語・中国語)

  • 月商目標:100〜130万円

  • 注意点:熱海は人口が少なく地元患者だけでは薄い。観光業従事者への法人契約を複数取ることで収益基盤を作る


📌 第9章の急所
パターン④(三島・東京通勤者)は静岡の中で単価が最も取りやすいセグメントだ。東京通勤者は「時間の価値が高い」意識を持っており、3,000〜5,000円の自費施術を「コスパがいい」と感じやすい。三島駅周辺は夜間対応の整骨院が少なく、参入余地が大きい。


まとめ——静岡で整骨院を経営するということ

静岡の整骨院市場を一言で表すなら、「三つの顔を持つ市場を、一つの戦略で攻めると失敗する」だ。

浜松の製造業・中部の茶業と水産・東部の東京通勤者——この三つは全く異なる患者気質・来院タイミング・価格感覚を持つ。

静岡で勝つための3原則

① 「静岡市場」ではなく「西部・中部・東部のどれを攻めるか」を決める
三分断された経済圏のどこに出店・注力するかを先に決めてから戦略を設計する。浜松の製造業戦略と三島の東京通勤者戦略は、設計思想から全く違う。

② 産業カレンダーを読んで集客を設計する
茶農家の農閑期、漁師の帰港タイミング、製造業の大型連休後——この波に合わせて動いた院が最も低コストで集客できる。

③ 低競合エリアの「一番手」を今すぐ取りに行く
牧之原・島田・掛川の茶業地帯、焼津の漁業エリアは今も低競合の状態が続いている。MEOと産業特化のチラシで半年動いた院が地域独占になれる。先行者が総取りするゲームだ。

静岡は「平均値の低い市場」ではなく、「多様な産業需要が整骨院の手を待っている市場」だ。


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著者プロフィール

著者プロフィール:宮澤 駿
ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部 本部長

大学卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。入社後は12年間、整骨院を中心に治療院業界のコンサルティングに特化し、成功事例企業を多数輩出。業界のM&Aにも携わりながら、部長として社内マネジメントも経験。「お客様の純粋な成長」を実現掲げるピュアグロースの理念に共感しヘルスケア事業本部を2026年4月に立ち上げ。パーソナルパーパスは「業界・企業・人の可能性を信じ、伴走し、未来を共に創る」。

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本レポートはR4衛生行政報告例(厚生労働省)確定データ・各種公開統計および業界調査をもとに執筆しています。

宮澤駿

この記事の監修者

宮澤 駿ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部 本部長

株式会社船井総合研究所で12年間、整骨院・治療院業界のコンサルティングに特化し、成功事例企業を多数輩出。業界のM&Aにも携わり、部長として社内マネジメントも経験。「お客様の純粋な成長」を掲げるピュアグロースにて、2026年ヘルスケア事業本部を立ち上げ。

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