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COLUMN

【47都道府県 整骨院マーケットレポート⑬】沖縄県の整骨院市場分析/競合密度28院・出生率日本一——成長市場なのに低単価という沖縄の矛盾を解く

2026.06.11|整骨院マーケットレポート

シリーズについて
このレポートは「47都道府県 整骨院マーケットレポート」シリーズの第13回。ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部が、都道府県ごとの整骨院市場を人口構造・競合密度・エリア特性・勝ちパターンの4軸で徹底分析します。経営判断・出店戦略・差別化設計の実務に直接使えるデータをまとめました。


はじめに:沖縄は全国で最もユニークな整骨院市場だ

沖縄の競合密度は約28院/10万人。全国平均(40.7院)を3割以上下回る。

数字だけ見れば「全国でも有数の参入しやすい市場」だ。実際、沖縄には全国の整骨院経営者が見落としている特有の強みがある。

出生率日本一(2022年:1.70)。沖縄は全国で唯一、人口が増加傾向を維持してきた県だ。若い人口が多く、産後骨盤・子供のスポーツ障害・現役世代の慢性疼痛という「成長市場特有の需要」が豊富にある。

観光業1,000万人。コロナ前は年間1,000万人超の観光客が訪れ、ホテル・飲食・観光施設で働く人々の腰痛・足のトラブルは慢性的だ。

しかし沖縄には、この恵まれた需要構造を活かしきれない構造的な課題がある。

平均所得が全国最低水準(約270万円/年)という現実だ。自費施術への移行が他の都道府県より難しく、保険診療依存の院が多い。「患者は来る。でも単価が上がらない」——これが沖縄の整骨院経営者が直面する最大の矛盾だ。

このレポートでは、この矛盾を解く具体的な方法論を、データと現場視点で提示する。


第1章:沖縄県の人口構造と市場規模

1-1. 基本人口データ

 指標 | 数値 | 備考 
 総人口 | 約147万人 | 全国44位 
 高齢者人口(65歳以上) | 約33万人 | 高齢化率約22% 
 生産年齢人口(15〜64歳) | 約90万人 | 構成比約61%
 年少人口(0〜14歳) | 約24万人 | 構成比約16% 
 出生率 | 1.70(2022年) | 全国1位(全国平均1.26)

高齢化率22%は全国平均(29.1%)を大幅に下回る。全国で最も「若い」県だ。年少人口比率16%は全国最高水準で、10〜20年後の生産年齢人口の厚みが保証されている。

整骨院経営の観点から言えば、「産後骨盤・子供のスポーツ障害・30〜40代の現役世代需要」が全国で最も豊富な県だ。

主要都市別人口:

 市町村 | 人口 | 特性 
 那覇市 | 約32万人 | 県庁所在地・国際通り・流通中枢 
 うるま市 | 約12万人 | 東部・農業・製造業 
 沖縄市 | 約14万人 | コザ・嘉手納基地隣接 
 浦添市 | 約11万人 | 那覇隣接・急成長ベッドタウン 
 豊見城市 | 約6.5万人 | 南部・那覇ベッドタウン・人口増 
 宜野湾市 | 約9万人 | 普天間基地・中部 
 名護市 | 約6万人 | 北部中核・ヤンバル 
 石垣市 | 約5万人 | 八重山・観光・離島 
 宮古島市 | 約5.5万人 | 宮古・観光急成長 
 北谷町 | 約3万人 | アメリカンビレッジ・コンベンション 

1-2. 生産年齢人口の需要構造

沖縄の生産年齢人口約90万人を需要ごとに分解する。

①観光業・サービス業従事者(那覇市・北谷町・恩納村・石垣・宮古)
沖縄のGDPの約14%(コロナ前)が観光関連産業だ。ホテル・飲食・観光施設で働く人々は、長時間の立ち仕事・重い荷物の搬送・お辞儀姿勢による腰痛・膝痛・足のトラブルを慢性的に抱えている。観光業従事者は「痛くても仕事を休めない」ため、整骨院への緊急ニーズが生まれやすい。

②建設業従事者(全域)
米軍基地の新設・移設工事・観光施設の建設・住宅建設と、沖縄の建設業需要は旺盛だ。炎天下での重労働による腰痛・熱中症後の疲労回復ニーズが高い。建設業従事者は「体が資本」の意識が強く、定期的な整骨院利用につながりやすい。

③産後・子育て世代(全域・特に那覇〜南部都市圏)
出生率日本一の沖縄では、産後骨盤矯正・育児疲労由来の腰痛・肩こりを持つ若い母親が豊富だ。30代以下の母親が「子供を連れて行ける整骨院」を探している需要は全国でも随一。キッズスペースのある院、予約制で待ち時間ゼロの院が特に選ばれる。

④米軍関連(沖縄市・宜野湾市・うるま市・名護市)
在沖米軍は約2.5万人。家族・軍属を含めると5万人規模が沖縄に居住する。英語対応できる院はこの層を独占できる。米軍基地内の医療は限定的で、外部の医療機関への需要がある。

1-3. 市場規模推計

 指標 | 数値 
 施術所数(R4確定値) | 411院 
 推計年間市場規模 | 約493〜592億円 

施術所411院は人口比では全国でも少ない水準。出生率・人口増加を考えると、需要の伸びに対して施術所の増加が追いついていない「供給不足」の市場とも言える。


📌 第1章の急所
沖縄で最も見落とされている需要は「産後の若い母親」だ。全国最高の出生率が生み出す産後骨盤・育児腰痛のマーケットは、他の都道府県と比較にならないほど分厚い。「子連れOK・産後骨盤特化」の訴求を持つ院が競合ゼロで市場を取れるエリアが県内に多数存在する。


第2章:施術所数・競合密度の実態

2-1. 沖縄県の競合密度

 指標 | 沖縄県 | 全国平均 
 施術所数(R4確定値) | 411院 | 50,919院 
 競合密度 | 約28.0院/10万人 | 約40.7院/10万人 
 人口 | 約147万人(全国44位) | — 

全国平均を3割以上下回る。これは競合密度の低さとしては全国でも上位水準だ。

2-2. エリア別競合密度(推計)

 エリア | 推計競合密度 | 特性 
 那覇市中心部 | 35〜50院/10万人 | 那覇集中・全国平均超の激戦 
 浦添市・豊見城市 | 25〜35院/10万人 | 那覇ベッドタウン・人口増中 
 沖縄市・宜野湾市 | 20〜30院/10万人 | 米軍基地周辺・中程度 
 うるま市・北中城村 | 15〜25院/10万人 | 低競合・住宅地 
 名護市・恩納村 | 10〜20院/10万人 | 北部・観光×低競合 
 糸満市・南城市 | 10〜20院/10万人 | 南部農村・低競合 
 石垣市 | 10〜15院/10万人 | 離島・観光急成長 
 宮古島市 | 10〜15院/10万人 | 離島・観光急成長 

那覇市内に施術所が集中し、そこだけが全国平均並みの競合環境になっている。那覇以外は低競合エリアが多く、参入余地がある。


📌 第2章の急所
宮古島市・石垣市は「観光急成長×施術所少ない」という特殊な市場だ。年間観光客が急増しており、観光業従事者の腰痛需要が急拡大している。離島という参入障壁があるが、先行した院は地域独占になれる。


第3章:那覇・中南部都市圏の市場地図

那覇市(人口約32万人)を中心とする中南部都市圏(浦添市・豊見城市・糸満市・南城市)で、沖縄の人口の約50%が集中する。

3-1. 那覇市内の市場特性

那覇市は沖縄の整骨院が最も密集するエリア。競合密度は推計35〜50院/10万人で全国平均前後。

  • 国際通り周辺(中心市街地):昼間人口・観光客が多い。回転型の短時間施術モデルが機能しやすい

  • 首里・小禄・真和志エリア:住宅密集。地域密着型の家族ぐるみ患者が多い

  • 新都心(おもろまち周辺):若い世帯・ビジネスパーソン。産後骨盤・デスクワーク腰痛の需要

3-2. 浦添市・豊見城市の成長性

浦添市と豊見城市は那覇市のベッドタウンとして人口増加が続く。

  • 浦添市:沖縄高速道路ICが近く、広域から来院可能。若い家族層が多く産後・スポーツ系需要が厚い

  • 豊見城市:イオン豊崎・アウトレット開発で流通・商業が集積。商業施設内・隣接での出店に適性が高い

3-3. 北谷町・沖縄市(中部エリア)

  • 北谷町:アメリカンビレッジ・コンベンションシティという観光・商業エリア。外国人(米軍・観光客)の往来が多く、英語対応院の需要がある

  • 沖縄市(コザ):嘉手納基地隣接。米軍関連需要の中心エリア


📌 第3章の急所
浦添市・豊見城市は「人口増加×まだ施術所が少ない」タイミングにある。那覇市内の激戦に参加するより、両市への先行出店の方が投資対効果が高い。特に産後骨盤・子育て世代特化で出す場合、競合がほぼいないエリアが存在する。


第4章:観光業従事者需要を取る

4-1. 観光業の規模と従事者数

沖縄県の観光入込客数はコロナ前(2019年)に約1,016万人を記録した。現在は回復傾向にあり、2024年には900万人台に戻りつつある。

 観光関連の指標 | 数値 
 年間観光客数(コロナ前) | 約1,016万人 
 観光業就業者数(推計) | 約10万人 
 観光業のGDP比(コロナ前) | 約14% 

ホテル・飲食・観光施設で働く約10万人は、整骨院の安定した患者予備軍だ。

4-2. 観光業従事者の身体特性

  • ホテル従業員:長時間の立ち仕事・荷物搬送→足底筋膜炎・腰痛・膝痛

  • 飲食業:厨房での中腰作業→腰痛・肩こり・手首

  • ダイビングインストラクター:水中での体勢→颈部痛・肩の負荷

  • 観光バス・タクシー運転手:長時間座位→腰痛・坐骨神経痛

  • 農林漁業兼業者(南部):サトウキビ・パイナップル収穫の重労働

4-3. 観光業従事者を取るための打ち手

①「仕事帰りに通える」夜間診療
観光業の勤務は不規則だが、アフター17〜19時に来院できる枠を設けることで「仕事が終わったらすぐ行ける」動線ができる。那覇・北谷エリアの観光業集積地での夜間対応は差別化になる。

②「足底・腰痛の職業病ケア」の特化訴求
「ホテルで働いている方の腰痛・足の痛みに特化」という絞り込みは、観光業従事者に刺さりやすい。Googleビジネスの紹介文・HPのキャッチコピーにこの訴求を入れるだけで反応が変わる。

③観光業事業者への法人アプローチ
大型ホテル・リゾートの人事・総務担当に「従業員の腰痛予防プログラム」を提案する。ホテルは人材定着に悩んでいるため、「従業員の健康投資」という切り口は刺さりやすい。


📌 第4章の急所
石垣市・宮古島市は観光業従事者が急増しているのに整骨院がほとんどない。離島への出店は家賃・採用が課題だが、既存院が出張施術・月1〜2回の訪問施術モデルを設計するだけで安定した収入源になる。


第5章:出生率日本一の産後骨盤・スポーツ障害市場

5-1. 沖縄の出生率が生む需要

 指標 | 沖縄県 | 全国平均 
 合計特殊出生率(2022年) | 1.70 | 1.26 
 年間出生数(推計) | 約1.5万人 | — 
 0〜14歳人口比 | 約16% | 約11.4% 

出生率1.70は全国平均を大きく超える。これは毎年産後骨盤を必要とする母親が全国比率以上に生まれていることを意味する。産後骨盤矯正・育児疲労腰痛・肩こりの市場は、他県と比較にならないほど厚い。

5-2. 産後骨盤特化院の設計

  • キッズスペース必須:子連れで来院できる環境が「選ばれる理由」になる

  • 完全予約制・時間厳守:子育て中の母親は「待ち時間ゼロ」を強く求める

  • 産後3ヶ月〜12ヶ月プログラム:継続来院のコース設計が月次安定収入を生む

  • 産院・助産師との連携:産院から退院時に「産後は整骨院へ」と紹介してもらう流れを作る

5-3. スポーツ障害需要

年少人口が多い沖縄では、少年野球・サッカー・バスケ・陸上などの部活・スポーツチームの患者予備軍が豊富だ。

  • 少年野球:沖縄は全国でも野球人口が多い。肘・肩の障害(野球肘・野球肩)

  • サッカー・陸上:膝・足首の障害

  • 高校スポーツ:全国大会常連校が多く、試合前後の集中ケア需要が高い

スポーツ特化院は「部活チームの帯同トレーナー」になることで、チーム全体の患者を継続的に獲得できる。


📌 第5章の急所
産後骨盤の患者は「来院が継続しやすい」という特性を持つ。産後3ヶ月〜12ヶ月の定期ケアプログラムを設計すると、1人の患者から9〜12回の来院が生まれる。低所得でも月3,000〜5,000円のコースに乗せることができれば、単価問題を解決する一つの答えになる。


第6章:米軍関連需要と英語対応の可能性

6-1. 在沖米軍の規模

 指標 | 数値 
 在沖米軍人数 | 約2.5万人 
 家族・軍属を含む規模 | 約5万人 
 米軍関連雇用者(日本人含む) | 約9,000人 

全国の米軍施設・区域の約70%が沖縄に集中している。米軍人・軍属・その家族は沖縄市・宜野湾市・うるま市・名護市周辺に居住する。

6-2. 米軍関連患者の特性

  • SOFAの適用:日米地位協定(SOFA)により、米軍関連者は日本の健康保険が使えない場合が多い。そのため自費診療前提になりやすい→単価が自動的に高くなる

  • 英語対応が壁:英語対応できる院がほとんどない→参入した院が独占できる

  • フィジカルケアへの意識が高い:米軍文化はフィットネス・身体管理への意識が高く、整骨院を積極的に利用する傾向がある

6-3. 英語対応の最低ライン

本格的な英語力は不要だ。以下を整備するだけで米軍関連患者を取れる。

  • Googleビジネスプロフィールの英語説明文:「English-speaking staff available」の一文

  • 英語版の問診票:A4一枚・翻訳アプリで作成可能

  • 施術時の基本英語フレーズ(10〜20文程度):「Where does it hurt?」「Does this hurt?」程度で施術は成立する


📌 第6章の急所
英語対応と米軍需要は「沖縄でしか取れない自費患者」だ。SOFAの関係で自費前提になる米軍関連患者の単価は、日本人保険患者の2〜3倍になるケースがある。英語問診票一枚の整備から始めるだけで、那覇・沖縄市・宜野湾市エリアの院は新しい収益柱を作れる。


第7章:低所得市場での自費移行戦略

沖縄の平均所得は全国最低水準(約270万円/年)。この現実を無視した自費移行戦略は機能しない。

7-1. 沖縄での自費移行で機能するアプローチ

①「月額コース」という買い方を提案する
「1回5,000円」ではなく「月4回で12,000円(1回3,000円相当)」という月額コースに変換する。月払いの感覚は「月3,000円のサブスク」になり、心理的なハードルが下がる。

②「今治さないと仕事に支障が出る」という緊急性で動かす
観光業・建設業の従事者は「腰が痛くて仕事を休んだら収入がゼロになる」という切実な事情がある。「今治療するコスト」と「仕事を休むコスト」を比較させると、自費への移行動機が生まれる。

③米軍・観光客という高単価セグメントで平均単価を上げる
地元の低所得患者に無理に高単価を設定するのではなく、米軍・観光客という自費前提の患者層を一定比率で確保することで院全体の平均単価を上げる設計が現実的だ。

④産後骨盤×継続コース
前述のとおり、産後骨盤は「通い続ける理由」がある。月3,000〜5,000円の継続コースでも、9〜12ヶ月続けることで年間3〜6万円の累積収益になる。

7-2. 自費移行で陥りやすい失敗

  • 「本土と同じ自費単価」の設定:1回7,000〜10,000円の設定は沖縄の所得水準にミスマッチ。まず3,000〜5,000円の導入ラインを設ける

  • 「説明不足」のまま値上げ:保険から自費に切り替える際に「なぜ自費なのか」の説明がないと離脱する。施術の価値を言語化する時間を毎回丁寧に取る


📌 第7章の急所
沖縄で自費移行に成功している院の共通点は「月額コースの設計」だ。単発の高単価ではなく、月払いの低〜中単価で継続させる設計が沖縄市場に合っている。「お試し月額プラン(初月半額)」で入口を広げた院が、リピート率で本土の院を上回るケースがある。


第8章:沖縄に刺さる集客チャネルの現実

8-1. MEO(Googleマップ対策)——那覇以外はブルーオーシャン

那覇市内はMEO競合が多いが、浦添市・豊見城市・うるま市・名護市・石垣市・宮古島市はMEO上位が取りやすい。エリアを選べばMEOだけで初診を安定確保できる市場が多い。

口コミ50件・評点4.5以上を那覇市外で達成した院は、ほぼ地域1位を取れる。週次での写真・投稿更新と口コミ依頼を6ヶ月続けることで到達できる水準だ。

8-2. Instagram——若い母親・観光業従事者に効く

沖縄の20〜30代女性はInstagramを活発に使う。産後骨盤・子連れ整骨院・スタッフ紹介・施術解説の投稿は刺さりやすい。月4〜6本の投稿で「この先生を知っている」状態を作る。観光業従事者向けには「立ち仕事の腰痛ケア」「足の疲れに効くストレッチ」などの投稿が有効。

8-3. LINE公式アカウント——リピート率の生命線

来院した患者を必ずLINE登録させる。月1〜2回の健康情報配信で「院の存在を忘れさせない」。産後骨盤コースの患者には「今月で3ヶ月経ちました。次のステップは…」という個別配信が再来院を促進する。

8-4. 観光客×インバウンド——特殊な需要を取る

旅行中に腰痛が悪化して整骨院を探す観光客は一定数いる。Googleビジネスプロフィールに「旅行者歓迎・当日対応可」「英語対応可」の文言を入れると、観光客の単発来院が発生する。単価交渉が不要な観光客は自費前提で来院することが多い。


📌 第8章の急所
沖縄の集客で最初にやるべきはMEO整備だ。那覇市内以外では口コミ50件でトップが取れるエリアが多い。次にLINE登録→産後・スポーツ向けのInstagram。この3つを回してから観光客・米軍対応を追加するのが費用対効果の高い順序だ。


第9章:沖縄の勝ちパターン5選

パターン①【那覇・中部・産後骨盤特化型】出生率1位の需要を独占する

  • ターゲット:那覇市・浦添市・豊見城市の20〜30代産後女性

  • 武器:キッズスペース×完全予約制×産後9ヶ月継続コース×Instagram集客

  • 月商目標:180〜230万円

  • 注意点:産後特化は「ポジション」を明確に打ち出さないと埋もれる。「子連れOK・産後専門」を全てのタッチポイントで統一する

パターン②【観光エリア・観光業従事者特化型】10万人の腰痛市場を取る

  • ターゲット:那覇・北谷・恩納村のホテル・飲食業従事者

  • 武器:夜間診療(18〜21時)×足底・腰痛特化×ホテル法人アプローチ

  • 月商目標:150〜200万円

  • 注意点:観光業は繁忙期(夏・冬休み)に患者が減る(働きすぎで来院できない)逆説がある。閑散期(1〜3月・6月)にまとめて来院させるLINE配信を設計する

パターン③【米軍基地周辺・英語対応型】自費専門の患者層を独占する

  • ターゲット:沖縄市・宜野湾市・うるま市の米軍人・軍属・家族

  • 武器:英語問診票×Googleビジネス英語表記×自費前提設定

  • 月商目標:120〜160万円(単価が高いため患者数が少なくても成立)

  • 注意点:SOFA適用者の保険利用ルールを確認した上で施術を提供する。自費前提で来る患者が多く単価交渉は少ない

パターン④【離島・観光急成長型】石垣・宮古のブルーオーシャンを先行する

  • ターゲット:石垣市・宮古島市の観光業従事者・地元住民

  • 武器:地域唯一院としてのMEO独占×観光業法人アプローチ

  • 月商目標:100〜140万円(離島価格設定で単価を上げやすい)

  • 注意点:採用難と家賃が本島より高い可能性がある。地元出身スタッフの採用が最優先

パターン⑤【北部・スポーツ特化型】名護・うるまの部活生需要を囲い込む

  • ターゲット:名護市・うるま市の高校部活生・少年スポーツチーム

  • 武器:スポーツ障害専門知識×チーム帯同×保護者経由の家族患者化

  • 月商目標:100〜130万円

  • 注意点:学生は単価が低い。保護者(30〜50代)・兄弟姉妹・チームメイトの家族への接触で家族ぐるみ患者化を同時に設計する


📌 第9章の急所
パターン③(米軍特化)は「英語問診票一枚」から始められる最低コストの差別化だ。沖縄市・宜野湾市で英語対応を打ち出している整骨院はほぼない。競合が参入してくる前に「英語OK整骨院」のポジションを取った院が市場を独占する。


まとめ——沖縄で整骨院を経営するということ

沖縄の整骨院市場を一言で表すなら、「全国で最も若く、最も特殊で、最も可能性が多様な市場」だ。

出生率日本一・人口増加・観光業1,000万人・米軍関連5万人——これだけの需要の厚みを持ちながら、それを活かしている院は限られている。低所得×保険依存という構造的課題はある。しかしその課題を解く方法は、この章で示した通り存在する。

沖縄で勝つための3原則

① 若い母親を起点にした需要設計
出生率日本一が生む産後骨盤需要は、他の都道府県では得られない沖縄だけの資源だ。産後骨盤を入口に、夫・子供・祖父母という家族ぐるみの患者化を設計する。

② 観光業・米軍という自費前提患者の確保
低所得の地元患者だけに依存すると単価が上がらない。観光業従事者(緊急ニーズ)と米軍関連(SOFA由来の自費前提)という高単価セグメントを院の収益の柱の一つにする。

③ 那覇以外のエリアへの先行投資
浦添市・豊見城市・うるま市・石垣市・宮古島市は低競合×需要成長という参入適性が高い。先に動いた院が地域一番院になれるタイミングは、今がギリギリのラインだ。

沖縄の整骨院市場は、全国の「普通の経営論」では捉えきれない。沖縄固有の産業・文化・人口構造を理解した院長だけが、この市場で長期的に繁盛できる。


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著者プロフィール

著者プロフィール:宮澤 駿
ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部 本部長

大学卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。入社後は12年間、整骨院を中心に治療院業界のコンサルティングに特化し、成功事例企業を多数輩出。業界のM&Aにも携わりながら、部長として社内マネジメントも経験。「お客様の純粋な成長」を実現掲げるピュアグロースの理念に共感しヘルスケア事業本部を2026年4月に立ち上げ。パーソナルパーパスは「業界・企業・人の可能性を信じ、伴走し、未来を共に創る」。

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本レポートはR4衛生行政報告例(厚生労働省)確定データ・各種公開統計および業界調査をもとに執筆しています。

宮澤駿

この記事の監修者

宮澤 駿ピュアグロース株式会社 ヘルスケア事業本部 本部長

株式会社船井総合研究所で12年間、整骨院・治療院業界のコンサルティングに特化し、成功事例企業を多数輩出。業界のM&Aにも携わり、部長として社内マネジメントも経験。「お客様の純粋な成長」を掲げるピュアグロースにて、2026年ヘルスケア事業本部を立ち上げ。

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